15/10/24 21:48:02.81 t3vKSeQs0.net
旧軍や大阪府が太平洋戦争末期、軍志願者の確保に協力するよう旧制中学に求めていた文書が、私立上宮中学・高校(大阪市天王寺区)で見つかった。
海軍飛行予科練習生(予科練)の採用試験志願者について割当人数を明示した文書もあり、志願と言いながら実際には学校にノルマを強いていた。
戦局が絶望的になっていた時期、陸海軍と行政官庁が人員確保に躍起になっていたことがうかがえる。【深尾昭寛】
同校の系列校で1942〜49年に存在した旧制高安(たかやす)中(戦後に高安中学・高校)の文書。上宮中・高の書庫で今年2月に発見された。
一部は、45年度予科練試験問題用紙の裏面を再利用しており、戦争末期のものとみられる。
大阪府内政部長が各中学校長などに45年1月10日締め切りで予科練志願者の確保を求めた文書には、「高安中 学校割当二四名」と書いてあった。
戦争の勝敗が空軍兵力に懸かっていると強調し、「万難ヲ排シテ優秀ナル志願者多数獲得」を要求していた。
大阪海軍人事部長名で45年2月22日付で各中学校長に出された文書からは、「幹部適任者」の学生の調査を依頼していたことが分かる。
この他、陸軍が予科士官学校の志願者に関して、高安中に不足資料を送るよう求めた45年1月の文書なども見つかった。陸海軍がともに志願者確保のため、学校に接触していた状況が分かる。
戦争末期は飛行機が不足し、予科練に入っても搭乗機会は少なかったとみられる。
現代史家の秦郁彦さんは「終戦間近の陸海軍の志願者募集状況が分かる資料は貴重だ。戦局が逼迫(ひっぱく)しているにもかかわらず陸海軍は人材を奪い合っていた。
飛行機が無い状況でも採用し、合理性が感じられない。動き出したら惰性で自動的に回る官僚制度だ。大阪府の協力も志願者確保の圧力になっている」と指摘した。
上宮中学・高校の田中裕史校長は「子どもたちは今、平和の中で学生生活を送っているが、過去には悲しい、厳しい時代があった。当時を考える資料として活用したい」と話している。
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