23/04/01 13:26:26.32 1qqeFolv.net
ワイからいく
ホラー・オカルト的な話だ
農業高校から僕の家までは下りの電車を使って通っていた。桜の花びらが茶色くなるころ入学式が終わり、親たちと担任が挨拶を交わしている中私たちは30分くらい待たされた。
そんな時後ろから声をかけられた。「あのさ友達になろ」僕は一瞬びっくりしてすぐ横を見た。すると万遍の笑みを浮かべた子がまた、「友達になろ」と言ってきたのでいいよと言ってすぐLINEを交換したりと次第に打ち解けていった。名前はなにか?なぜ普通科の高校に行かなかったのか?
そんなこんなで閉まっていたのも忘れてしまったらしい。ある日棚を開けると貫入の入った器になっていたそう。それから日に日にヒビが無くなってきているそうだ。
そこまで話すと赤間はこれがオカルトだといいニコニコと笑った。僕が小中学生の時はオカルトを話し合える友人がいなかったのでこれは長い付き合いになるなと思えた。
など色々な話をしていると、なぜその話題になったかわからないが、幽霊は信じるかと言う話になって赤間は僕に縁に亀裂が入ったお茶碗のようなものを渡してきた。僕がなんなのか聞く前にそれは7年前に曽祖父が買ってきたものらしく曽祖父が亡くなった時にちょうどその器を割ってしまったらしいとの事だった。それは祖父の形見だったこともあり、まだ幼かった赤間はそれを集めて自分の部屋の棚に隠したそうだが、その時手を切ってその傷がまだあるとかなんとか言っていたがその話は後ほど。
すると赤間は僕に質問をしてきた。「もしこの器が完全に治ったらどうなるか、また俺の手にある傷はどうなるのか?」僕は突然の問いに、そしてその答えを考えて冷や汗を浮かべた。
さっき赤間は器はどんどんと治っていると言っていた。だが、器を集めた時にできた傷は治っていないと言った。物と言うのは生きていない。すなわち生命活動をしていないから、自ら治ることはないわけだ。
例えば髪が長くなる人形は簡単に言うと物が生命活動をして髪という細胞が増えるということ。だがオカルトにもやはりマジックのように種があるだろう。人形の髪が2つ折りになっていてそれが時間の影響で半分だったものが1本の線になり髪が長くなったと錯覚すると言う事を何かで見た。
では逆に傷が治らないことはあるのか?僕は理科が得意ではなかったので人体はさっぱり分からなかった。強いて言うなら人斬りのマンガの主人公が治らない傷をつけていたことくらいだった。
結局僕は中学3年までに手に入れた知識を頭の引き出しから何とか探し出た答えは「その器をレストランで使えば一生使える」だった。
僕がそういうと思いっきり赤間はバカにして笑ったので、生まれて初めて、今日初めて出会った人を殴ろうとしたのは言うまでもない。
まぁ本当は人間は怪我をすると治るはずなのに治らないということは怪我がどんどん大きくなっていて大きくなるスピードと治るスピードが同じだから怪我が治らないように見えるんじゃと思ったり、大人になって治るスピードより怪我のスピードが…とかを少し思ってやめた。
そんなこんなで赤間の親が来て僕らはまた2日後といい解散をした。
赤間の持っていた器は結局5個のヒビが4個になろうとしていた。