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あなたの文章真面目に酷評します Part106 - 暇つぶし2ch252:フカ
18/01/25 18:31:55.79 rAL6LzAB.net
HANABUSA  4/8
四、
小説『海鳴り』には、以下のような記述がある。


私は五歳の時に、両親と兄とで海に釣りに行った事がある。
以前に水族館に連れて行って貰って、魚や海中生物の美しさに感銘を受けて、小さい私は、大きな水槽の傍から、閉館までの間の数時間、ずっと離れられなかった。
両親は、海で魚釣りに連れて行けば、私がもっと喜ぶし、情操教育にもいいだろうと考えたのだ。
しかし、私は両親の期待を裏切った。
近くの海岸で、釣りをする両親と兄とを見て、釣りをする行為が不可解で仕方がなかった。
また、釣った魚がバケツの中でぴちぴちと動くのを見て泣いた。
「お魚さん、お水が無くて、苦しいんじゃないの?」
私がそう言ったら、家族みんなが笑った。
夕食は釣った魚を母が捌いて料理したものだった。
私は食卓で、疑問を投げかけた。
「なんで、お魚を釣って食べるの?」
私は涙目のままだった。
「お魚は釣れたてが美味しいからよ。冷めないうちに、食べなさい」
「お魚さん、可哀想。私、食べたくない…」
「食べてもらえなかったら、もっと可哀想でしょ。あなたに食べて貰うために、このお魚さんは、お皿の上にいるのよ」
「嫌、嫌だよ。何で私、食べないといけないの?お魚さんは、私達が釣らなければ、元気に泳いでたんでしょ?お母さん、どうしてお魚さんを包丁で殺したの?どうして私は食べないとダメなの?ねぇ、どうして?」
私は食卓で散々泣きながら駄々をこねた。
「昨日は豚さんを食べたでしょう?しょうが焼きにして。あれと同じよ。豚さんもあなたに食べて貰うために、生きてきたのよ、さあ…」
「嫌だ、なんで動物を殺して食べないとダメなの?ミミちゃん(当時の愛猫)が死んだとき、お墓を作って天国に行けるようにお祈りしたのに。なんでお魚や豚さんにはお墓がなくて、ミミちゃんは食べなかったの…?」
私は両親を困らせた挙げ句、その夜をきっかけに、肉だと知っている食べ物を一切拒んだ。
極端な偏食だとか、摂食障害だとかで、病院に連れていかれた。
植物性のタンパク質や牛乳なら受け付けたので、年老いた医者は、
「成長期だが、肉を無理に食べさせるのは、精神的にストレスになるし、ベジタリアンでも死ぬことはない」
と言ったのだ。
やっと両親に安心して貰えたのは、小学生にあがる直前の事である。


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