10/12/24 22:18:12 Ar2CBN4f.net
??「空気が、僅かに澱んでいる、な」
???「空気ぃ? んなもんよくわかるよな、お前さー」
??「お主にはわからぬのか? ―いるぞ、ここに」
???「ったく、城くんだりまで出かけてやったら留守で、実は目と鼻の先に
いましたー、とかありえねーし。ホントありえねー」
門衛「お待ちを。どちらから来られましたかな? この書類に来訪の目的と氏名を―」
??「勇者とその連れだ。知らぬわけではあるまい」
???「おうおう、勇者さまのお通りだぜぃー」
門衛「え……勇者……まさか、貴方が!? 確かに凄まじいまでのオーラ!」
??「門衛よ。何を勘違いしておるか知らぬが、私は勇者では無い。連れの武道家だ」
門衛「え」
???「なんでよー、皆毎度毎度ブドっちを勇者だと思うんだろなー?」
門衛「では……まさかとは思うのですが」
武道「お主がそう思うのも無理は無いが、事実というものは受け入れなければならない」
門衛「……本当に、この金髪でピアスしててチャらくてどうしようもなさそうなのが!?」
勇者「ちゅーす! 勇者でーっす! ぶい。ってか酷くね? さりげに俺酷い事言われてね?」
門衛(……こんなのが、魔王を倒し世界を救う、勇者……ッ!?)
武道「……残念ながら、というか、無念だが、というか……そこはお主に任せよう。
なんにしろそういうわけだ。通してもらうぞ」
門衛「あ、はい……貴方がそう仰るなら……」
勇者「おいブドっちさー、さっさと宿とって今日は寝ようぜー。疲れちったし。
ひろーこんぱーい」
門衛「……」
武道「……」
門衛「あの……」
武道「言うな。何を言いたいかはわかるが言うな」
門衛「……頑張ってくださいね」
武道「……その言葉が身に染みる……ありがたいものだ」
勇者「何してんだよブドっちー。早くいこーぜー」
武道「では、お主も職務の遂行、しかと果たしてくれ」
門衛「は、はい!」