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2020年1月10日 Don't use ZFS ―Linus,ZFSをマージしない姿勢をあらためて強調 階戸アキラ
URLリンク(gihyo.jp)
「Don't use ZFS. ―ZFSは使わない。その理由はシンプルだ。ZFSはこれまでずっと,バズワード以上の
何物でもなく,そして実感するのだけど,例のライセンシング問題は僕にとってZFSを価値のない存在と
思わせるだけだ」
1月6日,IT業界に特化したオンラインメディア「Real World Tech」のフォーラムで繰り広げられたある
スレッドにて,Linus TorvaldsはZFSをメインラインにマージする予定がないことをあらためて明確に主張
している。(中略)
今後のZFSの扱いについては「Oracleの正式なリーガル担当者が署名したオフィシャルレターが届くか,
もしくはラリー・エリソン自身が“ああ,いいよ,手続きを進めよう”といってZFSをGPLにするか,そういう
事態でも起こらないかぎり,僕はZFSに関するいかなる成果もマージしない」と強調,つづけて「ZFSの
コードやインタフェースを取り入れたければ,個々の環境(ディストリビューションなど)で好きにやるのは
かまわないが,訴訟好きなOracleの体質,さらにはライセンスに関する数々の疑念を考慮するなら,僕は
とても安心してそれをやる気にはなれない」とZFSをメインラインに取り入れない理由を説明している。
また,ZFSを直接カーネルに統合しないだけでなく,Shimレイヤのような透過的なインタフェースを通した
実装にも「まったく興味がない。我々にとってなんの価値もなく,Oracleに(Javaのような)コピーライト
訴訟のよいきっかけを与えるだけ」と一刀両断している。
旧Sun Microsystems由来のファイルシステム技術であるZFSに関しては,何度となくLinuxカーネルでの
実装が議論された過去があり,たとえばUbuntuでは2016年ごろからZFSをサポート,最新版の「Ubuntu
19.10」ではZFSをrootファイルシステムにしたインストールが可能となっている。Linusはこうしたディストリ
ビュータの動きに関しては「やらないほうがいいと思うけど,自分たちの責任でやるなら好きにやれば」という
スタイルを通してきたが,今回あらためてZFSのメインライン統合に対し,明確なNoを突きつけたといえる。