12/02/08 16:07:21.06 t2eBb5tz.net
flowとはその人間が望んでいる「夢」を見せるシステムであり、
本来錆付きは自分がいる世界が「夢」であるとすら気付かぬまま、理想的な夢の世界で生き続けていく筈だったが、
錆付きは現在自分がいる世界が「現実」ではないと見抜いていた。
.flowから「帰還」してくる世界、現在自分がいる、ベランダを備えた小さなこの部屋もまた、.flowの見せている「夢」の中の世界であると。
錆付きにはどうしても現実に戻らなければならない理由があった。
錆付きには病気の友人がいた。錆付きと同じ難病を発症し、もはや分厚い防護服が無ければ、一秒たりとも生きていけぬ身体の友人が。
彼女は錆付きにとってたった１人とも言える大事な存在で、
彼女と引き離されていることは錆付きに耐え難い不安と孤独を与えており、
そしてそれが、錆付きを戻るべき「現実」に未だにつなぎ止めていた。
だから錆付きは部屋から出ない。扉を開け、部屋から出て新たな「夢」を見せられる事を恐れていたからだ。
友達と再会し、二人して自分たちが閉じ込められていた施設から逃げ出す…
そんな都合のいい「夢」が扉の向こうで待ち構えているのは明白で、
錆付きはそれに耐えきれる自信が無かったのだ。
錆付きがいるこの部屋は「夢」の中の牢獄であったが、ここは同時に「夢」に対する砦とも言えた。
扉を開けなければ、ここからは出てはいけないと強く思っていれば、この部屋に「夢」は侵入できなかった。
目覚める為、「夢」を断ち切る為に、錆付きは.flowという存在をパソコンという形で具体化し、
『現在自分がいる「夢」』と『.flowによって作り出される「夢」』という風に区別を付け、.flowを逆に利用しようとした。
.flowが自らの望む「夢」を見せるのなら、それを逆手に取り、
自らの過去と向き合って心の傷を抉り続ける事でその痛みによって目覚めようとしたのだ。
錆付きは生理的嫌悪を沸き起こすようなどこまでも暗い恐怖に満ちた世界を旅し続ける。
時にはあまりの恐怖に逃げ出してしまうようなこともあったが、それでも錆付きは「夢」を旅する事をやめなかった。
そして最終的に、自分の心に残る最大級の2つの傷に再び触れる事と、
機械の中で眠っているであろう「現実」の自分の姿を改めて思い返すことで、
とうとう「夢」に囚われている自分のそのものへ辿り着いた錆付きは、
自分自身を自らの手で殺すことによって、「夢」から解放された。
筈だった。
だが錆付きが目覚めたのは「現実」の機械の中ではなく、
.flowによって見せられていた「夢」の世界にあったものと同じ部屋だったのだ。
…自分が目覚めたこの世界は何なのか？
…自分は「夢」から抜け出せなかったのか？
…結局『「夢」から覚めた夢』を.flowによって見せられただけなのか？
…いや、そもそも自分が「現実」だと思っていたものは本当に「現実」だったのか？
…友達のことも、自分の過去も.flowの見せていた「夢」ではないのか？
……もしくは
…….flowという存在すらも、全てが自分が見た「夢」だったのか？
……自分は一体「何」なのか？
部屋から出てさ迷うように屋上に辿り着いた錆付きは呆然としながらそこに立ち尽くす。
ひたすら広がる灰色の単調な空間。「ゲームに出てくるような」建物。背後から現れるガスマスク姿のメイド。
そんな「現実」離れした光景を見せられた錆付きは狂ったように笑い出す。
そしてメイドが持つチェーンソーに錆付きはまるで吸い寄せられるように近づいていった。
…ありえない。こんなものは夢だ。夢に違いない。
…ならばこの世界からも抜け出さないと。早く…。
…メイドによって連れてこられた深い暗闇の中で錆付きは身動き一つせず佇んでいた。
目を瞑っているのか、錆付きの表情は分からない。
錆付きの身体の本来足があるべき場所からは、真っ赤な血が流れ出して血溜まりを作っている。
…何かを嘲笑うかのような笑い声と同時に画面にノイズが生じ、世界は閉じていく。
錆付きの戻るべき「現実」はどこに有るのだろうか……
:
このスレで出てる色んな意見まとめた上で自分の意見も加えた考察を発表したかったけど、
書いてる内に自分でも何が言いたいのかよくわからなくなってアホみたいに長くなった。頭悪いのが長文書くとこうなるんだね。
疲れたからカイブツ妹ちゃんのおっぱい揉んできます。