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◆アマミノクロウサギに新たな天敵、野生ネコ対策急ぐ
URLリンク(www.newsjapan.co.jp)
奄美・琉球「生物多様性」に迫る脅威
400種を超えるサンゴに、世界的にも珍しい亜熱帯雨林。そして、そこに息づく多種多様な生き物たち。
日本の面積の1%にも満たない場所に育まれた濃密な生物多様性は、ユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが潜り込む海域で、大陸と地続きになったり離れたりを繰り返した複雑な地史のたまものだ。
「奄美・琉球」について政府は2017年の世界自然遺産登録を目指すが、島々は今、外来種の侵入など新たな課題に直面している。
4月17日深夜、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギを探して鹿児島県の奄美大島の山林で車を走らせた。
道路脇の草むらが突然動き出した。
「ネコがクロウサギを襲っている」
ガイドで写真家の常田守さん(56)が車を止めてそう叫んだ。
その直後、目をぎらつかせたネコが道路に飛び出し、アマミノクロウサギが森の方へと逃げ去った。
この日だけで3度もネコに遭遇した。
奄美大島では、希少動物を襲うマングースが、国などの防除事業によって減少した。
その結果、今度は野生化したノネコが問題になっている。
特に懸念されるのがアマミノクロウサギへの影響だ。
独特な短い耳と後ろ脚を持ち、丸みを帯びた愛くるしい姿をしている。
国は正確な生息数を把握していないが、奄美大島に5000匹、徳之島に200匹いると推定されている。
京都大と森林総合研究所との共同研究によると、ネコがアマミノクロウサギを年44匹食べていると仮定すると、最短で奄美大島で百数十年、徳之島で数年で絶滅すると推計される。
日本哺乳類学会は今年1月、ノネコを緊急に捕獲して排除するよう国と鹿児島県に要望した。
奄美大島の5市町村は、11年、飼いネコが野生化するのを防ごうと条例を施行し、市町村への登録を義務化すると共に、どのネコが飼いネコか分かるようマイクロチップを埋め込んだり、繁殖を防ぐ避妊手術をしたりするよう勧めている。
国もノネコの問題をまとめたチラシを作製し、啓発している。
だが、奄美市の獣医師、伊藤圭子さん(37)は「条例には罰則がない。
マイクロチップの埋め込みや避妊手術を推奨しているが、お金がかかるため飼い主がどこまで行うのか疑問だ。
行政がリーダーシップを取って管理をもっと強化させる必要がある」と指摘する。
同市など5市町村は昨年末から、飼いネコのさらなる管理強化に向けた協議を始めた。