15/03/30 17:44:41.01 wg0JMsFT0.net
小島は幼少時代から嫌われ者だった。誰も遊びに誘ってくれなかった。
原因は、小島を誘うと遊びのルールをすぐ変えるからだ。
「鬼ごっこ?俺はタッチされても鬼にならないからな!」
「野球?俺がずっとバッターね!」
「マンガ買ったの?貸して貸して!俺一番に読むから!」
遊びの人だかりがあると、そういって割り込もうとする。だから誰も小島を入れなかった。
小島は誰からも必要とされない。だから、自分の中に社会をつくり、自分の世界をつくり、自分のルールをつくった。
その中には、松井がいて、三瓶がいて、大山がいて、黒澤がいて、塚本がいた。
誰もが小島を必要としていた。誰もが小島を愛してくれた。でも、ふと我に返ると、現実世界は真逆の冷たさだった。
小島はなお一層、妄想の世界に没入していった…。(民明書房「とある無能の逆境世界」より)