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第1話 序章
どうしてこんなことになってしまったのだろう
ほぼ毎日俺の家にバスプロ達が来るようなってしまった。
俺は一般の人間であって釣りとはなんの関係もなかったのに・・・
そもそもの出会いは霞ヶ浦で行われたバサーオールスタークラシックの時
仕事でテントの搬入時に菊元さんと言う方と親しく会話をしたのがきっかけだった。
「もしよかったら今度家に遊びに来て下さいよ」
「おう!おじゃまさせてもらうわぁ」
冗談だと思ってた・・・だが彼は本気だった・・・
オールスタークラシック最終日。
俺はテントの撤去と搬出に来ていた
もともと俺には釣りの知識など無く、先日の菊元さんと話す感じはコテコテな大阪人なんだなってな感じが正直なとこで、
関東人の俺にはなかなか会話を楽しむ余裕が無かったのも事実だった。
そして釣りの話をされても難しく、何て答えていいのやらハラハラしてた。
だが今日の菊元さんは2日前とは全然違っていた。どうも元気が無い。
むしろこれが大阪人か?と疑うほどに静かだった。
「結果はどうでしたか?」と俺が聞くと
「ん?ああ・・・この試合は 優勝しなきゃ意味無いんよ・・・」
これはイベントでは無く試合だったのか!?無知な俺は恥かしかった。
「今夜はこれから大阪まで帰るんやけど・・・嫁に会わす顔がないですわ」
と吐き出すように呟く
俺は「そうだ!もしよかったら俺の家でどうですか?」とクイっと杯をあおる仕草をしてみせた。
「そうやな、そうさせてもらいますわぁ」
「今夜何がいいですか?茨城の物で揃えましょうか?」
「いいなぁ」と菊元さんは目じりを下げた
遠い目をし、何か思いついたのか「アン肝が食いたい」
というので土浦の市場でアン肝を買って家にたどり着いた。