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食べなくても長期間生きた生態を本格的に解明しようと、森滝さんが死後まもなく解剖したところ、これまた驚くべきことが分かった。
まず目を見張ったのはメスで開いた胃の内部。見たこともない淡褐色の液体で満たされていた。
過去に死亡したダイオウグソクムシの個体からは未消化の固形物が残っているか、胃が空っぽの状態だったが、このような液体を見たのは初めてだった。
液体は約130ccと胃を埋め尽くすほどの量があり、ダイオウグソクムシ特有の生臭い腐臭がした。液体以外に固形物はなかった。
さらに光学顕微鏡で液体をのぞくと、中に長さ10ミクロン(100分の1ミリ)ほどの菌類が見つかった。
株分かれしている様子も見られ、1日後には株がさらに増殖していた。出芽や分裂で増える単細胞の酵母に近い存在と推定している。
こうした菌類は酵母様真菌(こうぼようしんきん)と呼ばれ、土の中など自然界にあるほか、
小動物の消化器官に存在するものが知られ、下痢を繰り返した犬などの体内から検出されるケースがある。
酵母は、パン酵母やビール酵母など糖分を分解してアルコールなどに変えることで知られる。
そこで、No.1の酵母様真菌と長期間の絶食の関連が焦点となった。酵母と長寿の関係は、さまざまな研究が続いている。
静岡県三島市の国立遺伝学研究所の研究チームが、昨年8月に長寿遺伝子の働きを解明して酵母菌の寿命を操作する実験に成功。
酵母と長寿遺伝子の関連が分かり注目された。.
以下略
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