08/05/24 08:07:22
局から制作会社への支払いは放送後だ。たとえ完成品を納品しても、「面白くない」
「訴訟リスクがある」などの理由で局のプロデューサーにハネられることも。
放送されなければ、制作会社にカネが入らない。
「だから冒険しない。安全なグルメ情報ばかりになるんです」(前出の制作会社社員)
経済誌「プレジデント」(07年12月3日号)が試算した生涯賃金ランキングによれば、
上場企業の平均2億3353万円に対し、テレビ局正社員は、朝日放送の5億7367万円を筆頭に、
フジテレビ5億7293万円、日本テレビ5億1669万円。制作会社は上場企業平均より当然低いので、
その格差は4億円近い。
「同じ番組を作っていて、給料差がここまであると、モラールダウンは避けられない。
ヤル気のある若い人も、テレビ局にとって自分は駒のひとつにすぎないと気付き、辞めていくか、
局が望むものだけを作るようになる。
このような構造的な問題にテレビ局は気付いているのに、目をつむっている」
(早稲田大学ジャーナリズム教育研究所の野中章弘・客員研究員)
こうして視聴率“百発百中”の金太郎アメ企画ばかりになっていくのだ。
552:匿名希望さん
08/05/24 08:13:49
お祭り騒ぎと出口調査頼みの選挙報道 2008年3月25日 掲載
URLリンク(gendai.net)
公選法を盾にリスク取らず
「80年代まではNHKに対抗して当確競争をやっていたけれど、勝ち目がないので演出に走った」
(民放の報道幹部)
テレビの選挙特番が今のようなお祭り騒ぎになった歴史は案外古い。
かつて選挙は翌日開票だったため、当確競争は新聞朝刊が主戦場だった。
これが即日開票になりテレビへ移った。
昨夏の参議院選挙では、日本テレビが選挙特番の司会にタレントの島田紳助を起用し、
話題になったが、過去には巨人戦中継(視聴率が今のように低迷していなかった頃)
の中で2画面にして開票状況を伝えたり、タモリを司会に据えて「笑っていいとも」
とのコラボもあった。
「ゲキセン!」「踊る大選挙戦」……。人気ドラマを模した選挙特番タイトルにも、
演出至上主義が表れている。
今、各局が最も力を入れるのは、投票当日の出口調査だ。午後8時に投票箱が閉まった瞬間、
特番のオープニングで結果をドーンと出す。
選挙期間中の取材による分析ではなく、出口調査データの精度の競争。
そこに大量の人と大金が費やされる。
553:匿名希望さん
08/05/24 08:14:22
23日に投開票が行われた熊本県知事選でも、開票作業開始早々、蒲島郁夫氏の当確が出た。
しかも、開票画面の表では2番手だったのにである。
「選挙報道の原点を忘れている」というのは、「政党が操る選挙報道」などの著書がある
ジャーナリスト・鈴木哲夫氏。
「本来の選挙報道の役割は、有権者の投票行動に参考となる材料を提供すること。
投票箱が閉まった後ではなく、選挙運動期間中こそ力を入れるべき」
こういった観点から考えると、民放の姿勢はお粗末だ。
昨夏の参院選での丸川珠代氏に関する報道がイイ例。
海外駐在から帰国して3年も経っていたのに、転入届を提出せず、選挙権がなかった問題で、
週刊誌やスポーツ紙は大きく扱ったが、テレビのニュースや報道番組はほとんど伝えなかった。
「公選法を理由にして、公示(告示)後の選挙報道は、候補者を何でも平等に扱おうとする。
すると、選挙妨害と言われるのを避けるために、負の情報には触らなくなってしまう。
テレビ局の自己防衛です。候補者が一票を投じるに値する人物なのかどうか、負の部分も
平等に視聴者に伝えればいい」(前出の鈴木氏)
小泉時代のように、権力の支持率が高ければ批判せず、安倍や福田のように人気がなければ
叩くのも、リスクを取らない迎合主義のテレビらしいところ。
そこにはジャーナリズムなど存在しない。
554:匿名希望さん
08/05/24 08:22:31
倫理なき暴走に視聴者がノー!! 2008年3月26日 掲載
URLリンク(gendai.net)
倫理なき暴走に視聴者がノー!!
スピリチュアル番組の悪辣手法
あまりにもひどい番組に対しては、視聴者も黙っていない。
NHKと民放がつくった放送界の第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)にも
多数の意見が寄せられる。
2008年度(2月末まで)の累計は1万5903件。
このうち番組全般に関するものが6977件に上る。
視聴者からの声とは別に、BPOでは放送倫理検証委員会が、問題視した番組について自主的に検証し、
番組関係者へのヒアリングや局への問い合わせなどを通じ、委員会としての見解や意見を公表している。
「これまでに『みのもんたの朝ズバッ』(TBS)の不二家関連報道で見解を、『ハッピー筋斗雲』(フジテレビ系)、
『報道ステーション』(テレビ朝日)のマクドナルド元従業員制服証言報道で意見を公表しています」(BPO関係者)
「ハッピー筋斗雲」は、ドッキリカメラ手法で出演させた美容院経営者(中越地震の被災者などに無償で
リンゴを送って励ましていた人物)に、「スピリチュアルカウンセラー」なる江原某が対面し、「亡き父のメッセージ」
なるものを一方的に伝えるという内容だった。
555:匿名希望さん
08/05/24 08:23:38
しかし、それは経営者には耐え難いものだった。
「リンゴを送る経費で美容院が経営難に」と番組内で強調したり、江原某は
「自分自身の生活を度外視してはだめ!」などといったことを、亡き父の言葉として伝えたのだ。
委員会はこの番組を「初めからスピリチュアルカウンセラーありきの企画」と指摘。そのうえで結論として
次のように述べている。
「バラエティー番組だからといって、出演者の生活に関わるマイナス情報を十分な裏づけも取らずに強調し、
その生活に影響を及ぼすような内容の放送をしていいのか」
「出演者の心情に気を配った手続きも取らず出演させ、一方的にスピリチュアルといった非科学的な
カウンセリングを押しつけてもいいのか」当然の意見だろう。
だが、問題になった番組はあくまで一例に過ぎない。
現に、今でもスピリチュアルを売りにした番組はなくなっていない。
「さすがに世間の目を気にしているのか、番組PRのホームページに、『前世や守護霊は現在の科学で
証明されたものではありません』なんて断りを入れています。
でも、視聴率が取れる限り、この手の番組はなくなりませんよ」(TV関係者)
視聴率至上主義のテレビに自浄力、放送倫理を求めるのは、八百屋で魚を求めるようなものなのか。
だが、いつまでも好き勝手をやっていると、公権力の介入を招くだけである。
自らの首を絞めていることに、TVマンたちは気が付いていないのだろうか。
556:匿名希望さん
08/05/24 08:28:41
ドラマは視聴率15%超で「ヒット作」の情けなさ 2008年3月27日 掲載
URLリンク(gendai.net)
総世帯視聴率は70%から66%に低下
ゲームセンターの閉鎖が相次いでいる。
バンダイナムコは国内の約2割にあたる50~60店、セガサミーも約110店の閉鎖を決めた。
40代サラリーマンが言う。「小3の息子が、昔はゲームセンターに連れて行けとうるさかったけど、
近ごろは『Wii』のソフトを買って欲しいに変わった」。ゲームセンター不振の原因は「Wii」だ。
大画面の薄型テレビが急速に普及したことで、ゲームセンターの臨場感が自宅で気軽に味わえるようになった。
テレビ番組もゲームセンターの現状と似ている。総世帯視聴率(HTU)は、どの局を見ているかはともかく
テレビ視聴している割合を示す数値。
97年(ゴールデンタイム)は70.1%(関東)あったが、06年は65.8%(同)まで下落した。
単純に「テレビを見ない」人が増加していることになる。
テレビ離れは、ドラマの視聴率が顕著に物語る。79年放送の「熱中時代」(最高視聴率40.0%)、
80年「3年B組金八先生」(同39.9%)、83年「積木くずし」(同45.3%)、
93年「ひとつ屋根の下」(同37.8%)、2000年「ビューティフルライフ」(同41.3%)など
高視聴率ドラマがかつてあった。
「当時は30%を超えないとヒットしたと胸を張れなかった。ところが今は15%で御の字。
ヒットの基準が低下している」(テレビ関係者)
557:匿名希望さん
08/05/24 08:29:09
「テレビ『水戸黄門』のすべて」の著書もあるジャーナリストの齋藤憲彦氏が指摘する。
「黄門様もかつては40%を超える勢いがあった。
それが現在は15%を超える回が半年に1、2度ある程度です。
水戸黄門のすごさは、時代劇でありながら時代や世相を反映した作り方にあった。
でも今は若者の間で『説教黄門』『おせっかい黄門』といわれる。
視聴率低下は、作り手の問題もあるでしょう」
こんな話がある。「最近、テレビドラマからキスシーンが消えています。
いわゆる自主規制です」(テレビ関係者)。
スポンサーや視聴者からのクレームを極端に恐れ、キスシーンさえ削除する。
「『あるある』のやらせ問題で、ドラマもスポンサーに対しナーバスになっています。
でも極端過ぎる。結果、コミック原作モノや人気タレントに依存するドラマばかりが氾濫し、
大人が楽しめる質のいい番組は視聴率が稼げないことも重なり激減です」(テレビ関係者)
「岸辺のアルバム」「北の国から」「夢千代日記」「淋しいのはお前だけじゃない」。
視聴率はそこそこでもジーンとくる名作ドラマは、もはや期待できない。
ゲームやケータイ、ネットと視聴率低下の言い訳は、いくらでも転がっている。
しかし、レンタル店では「24」「チャングムの誓い」など海外テレビドラマが大人気。
この現実をドラマ制作にかかわるテレビマンは直視した方がいい。
558:匿名希望さん
08/05/24 08:33:27
大人の視聴に堪える番組はどこにある? 2008年3月28日 掲載
URLリンク(gendai.net)
NHKしか見るものがない
どんなに低俗といわれようとも、民放テレビが極端な視聴率至上主義なのは、結局、
「数字が取れなきゃスポンサーが付かない」という理由に尽きる。
マス(大衆)を対象にする大手企業はテレビが最も効率のよい広告媒体ととらえてきたからだ。
しかし、変化の兆しはある。
電通が毎年まとめる「2007年日本の広告費」によれば、マス対象4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)が
3年連続前年を下回る中、インターネットは前年比24%の伸び。
CATV(ケーブルテレビ)や衛星放送は前年比10%増加した。
スポンサー側がマスだけでなく、ピンポイントの客層をターゲットにし始めたのだ。
「時代劇は安定的な視聴者がいるが、視聴率10%は難しい。ゴルフも同様。
地上波は限られたチャンネルの中で、若い人向けに偏りがちで、40歳以上の視聴者を拾いきれていない」
こう話すのはCATV最大手「ジュピターテレコム」(JCOM)の森泉知行社長だ。
559:匿名希望さん
08/05/24 08:35:15
JCOMはシニア層を対象にした「チャンネル銀河」を立ち上げ、4月から放送を開始する。
放送時間の3分の1はNHKのアーカイブス番組で、残りは海外名作ドラマやドキュメンタリーなどを
ラインアップするという。
BSでは、昨年12月に誕生した「日本BS放送」(BS11)が、オトナチャンネルを志向している。
3時間の生放送トークショーや硬派な討論番組、マニア志向のアニメなどを編成。同社の調査によれば、
視聴者の6割以上が50代以上の男性だ。
「僕が見たいものを作れ。わからないものは作るな、と言ってるんですよ」
BS11の山科誠社長がこう続ける。
「50歳を過ぎればそれなりの仕事経験があり、モノを見る力も高くなる。
50代を満足させるには大学院のレベルじゃないとダメ。
深掘した番組なら堅いスポンサーは付いてくれる」
CATVの場合は「お金を払ってでも見たい番組かどうか」、BS11は
「視聴方法が伝わっていない」など、質の向上やマーケティング力強化の課題は残る。
「ドキュメンタリーやネイチャーものなど、大人の視聴に堪える番組はNHKしかない」
―という残念な現状に、風穴をあけることができるだろうか。
560:匿名希望さん
08/05/24 09:03:00
「サンデー・ジャポン」 2008年4月9日 掲載
URLリンク(gendai.net)
事件も社会問題もチャカして煽る趣味の悪さ、底の浅さ
見続けると頭が悪くなる番組を10回にわたって徹底追及する。
第1回は「サンデー・ジャポン」(TBS)。
この番組は1週間で起こったニュース、芸能情報をVTRにまとめて取り上げ、コメンテーターが
言いたい放題しゃべるのが売りだ。
司会は爆笑問題。TBSは“ニュースバラエティー”と位置づけている。
3月30日の放送は冒頭12分間のテーマが“ガソリン税”。
ゲストの東国原宮崎県知事は暫定税率維持は必要という持論を展開し、それにコメンテーターが
反論した。
しかし、国際弁護士の八代英輝氏らがややマトモに反応しただけの毒にも薬にもならない“討論”
だった。
続くテーマは少年犯罪。茨城県土浦市の無職男の8人殺傷、JR岡山駅ホームの家出少年の
突き落とし事件を取り上げ、“韓国ナンバーワンコメディアン”ヘリョン、ミュージシャンの
高橋ジョージ、女医の西川史子らが単なる感想を述べ合っただけ。
底の浅さにガッカリだ。この日の放送を見たジャーナリストの坂本衛氏はこう語る。
「冒頭の“ガソリン税”は許せるとしても、続く少年犯罪がいただけない。
BGMにおどろおどろしいハードロックが流れる。
茨城の事件で“右手に文化包丁”というテロップが映った瞬間に“シャキーン”と効果音も入る。
“凶悪”の2文字を浮き彫りにせんがための、情緒的、扇情的な構成で、冷静な報道とは
かけ離れた印象を受けます」
561:匿名希望さん
08/05/24 09:03:21
子供はこの映像を劇画のヒトコマと勘違いしないだろうか。これ以降は完全なバラエティー。
松井秀喜の結婚でプリティ長嶋に祝辞を読ませ、“RyuguJoの頼朝社長”なるホストに桑田引退に
ついて語らせた。
“お花見リポート”として年齢サバ読み巨乳タレントの小桜セレナの揺れる胸をアップで映し、
リア・ディゾンがゲスト出演しているのに、リアのセクシー写真集を「何に使う?」とコメンテーター同士で
ニヤニヤ……。
「視聴者は日曜の午前なのに下ネタトークが始まって驚いたはず。小学生だって見ているのだから、
あれはヒドい。
“ニュースバラエティー”を標榜しながら、ニュース部分が弱すぎる。
ズラリと並べたコメンテーターに好き勝手なことを言わせる“ひな壇バラエティー”だけどね……」
(坂本衛氏=前出)
いっそのことバラエティーに徹した方がマシ。趣味が悪いし、庶民がマジメに考えている社会問題、
事件をオチョクりすぎだ。
◆専門家の分析
「『サンジャポ』は同時間帯で時事問題を正面から取り上げているテレビ朝日『サンデープロジェクト』
の逆張りの番組。
毎週、数多くのゲストやコメンテーターを出演させているが、出演料が高いのは司会の爆笑問題くらいで、
視聴率もそこそこなので、コストパフォーマンスのいい番組といえる。
しかし、おふざけ、悪ノリが過ぎる時があるし、TBSの幹部の中には政治、事件などの問題をバラエティー
の“ネタ”として扱うことに抵抗を持つ人が少なくない。
風向きが変われば、番組の存在そのものが危うくなる可能性がある」
562:匿名希望さん
08/05/24 09:08:12
「クイズ!ヘキサゴンII」 2008年4月16日 掲載
URLリンク(gendai.net)
目くじらを立てる気はないがクラクラして思考停止状態に
「5000円札の前回の人物は?」
この質問に、もたいまさこ、五月マリ、豊臣秀吉、小野妹子、卑弥呼などと珍解答が
ズラズラ並んだ。
クイズ番組「ヘキサゴンII」の3月末のSPで“おバカキャラ”のタレントが
繰り広げたパフォーマンスである。
目くじらを立てる気は毛頭ないが、頭がクラクラして、思考停止状態に陥った視聴者も
多かったのではないか。
先週9日の放送でこんな場面があった。段々畑の写真を見せられ、これは何かという質問。
またしても階段畑、足跡、馬刺し、焼き畑、地層、薄切りといった解答。「足跡」と答えた
スザンヌが島田紳助に「コラ、ふざけてんのか!」と突っ込まれ、「真剣なんですけど」と
懇願したが、これではふざけている方がまだマシだ。
「ヘキサゴンII」のおバカは上地雄輔、つるの剛士、木下優樹菜、里田まいといった面々だが、
一方で“優等生キャラ”も出演している。
麻木久仁子や斉藤慶子、SPに出ていたラサール石井、松尾貴史らだ。
だが、これら頭のいいタレントの出演は番組としてバランスを取るというより、結果的におバカを
引き立たせる役割になっている。
563:匿名希望さん
08/05/24 09:08:35
TVウオッチャーの石橋さや夏氏がこういう。
「『足跡』という答えを聞いて私はイライラしたし、的外れ過ぎて引いてしまった。
こんなふうに答える人でも社会生活ができるのが不思議で、それでお金をもらえるというのが
信じられない。
ただ、それでも番組を冷めた目で見てる人はいいけど、困るのはこういう番組を真に受けて
見ている人が多いことです。
視聴者がうのみにする可能性がある以上、テレビ局はバカのデフレスパイラルを助長するような
ことは避けるべきでしょう」
大ブームのクイズ番組だが、最近はテレビ朝日の「ガリベン」のように難問にシフトする傾向が目立つ。
そんな中で「ヘキサゴンII」は対極にある番組である。
スタッフにはかつてクイズ番組荒らしで有名だった道蔦岳史の名前がある。肩書はスーパーバイザー。
“クイズ制作の第一人者”といわれ、番組は考え尽くされて作られているのだろう。
日刊ゲンダイ本紙コラム「なっとくTV総研」のみやざき五郎氏は「おバカなタレントは実際には
アホな答えすら思い浮かばないのではないか。
彼らは“アホはアホでいい”と開き直っているし、あそこまでトンチンカンなのは台本通りだからと
考える人がいてもおかしくない」と指摘する。
ちなみに、SPでは「養老孟司のベストセラーは?」という質問が出た。
上地は「バカの話」、安田美沙子とつるのは「養老の滝」、スザンヌは「バカのひとつ覚え」。
またもブー。彼らの頭の中には「バカの壁」の存在すらないのだろう。
564:匿名希望さん
08/05/24 09:10:52
「ビートたけしのTVタックル」 2008年4月23日 掲載
URLリンク(gendai.net)
カツラをかぶった熟女の着物の帯がシュルシュル―。
「ビートたけしのTVタックル」の3月末のSPで放送された「痛快!!永田町時代劇」の一場面である。
“熟女”を演じたのは、“ぶって姫”こと参院民主党の姫井由美子。帯をほどいたのはコラムニストの勝谷誠彦氏。
「時代劇」はタックルの人気コーナーのひとつだ。
「『タックル』には現役の国会議員、政治評論家が出演し、時々の政治テーマを取り上げるので、“政治討論番組”と
勘違いしている視聴者が多いはずです。
しかし、その正体は政治を題材にして“放談”“ドタバタ劇”を披露する“政治バラエティー”です。
冷静に番組を見ると、“討論”の途中で出演者が突然大声で怒鳴りだしたり、大竹まことのチャチャが入って中身が
スカスカで終わることに気づくと思います」(政治ジャーナリストの伊藤達美氏)
結局、お笑いのバラエティー同様、視聴者は時間を浪費して終わるわけだ。
565:匿名希望さん
08/05/24 09:12:38
●政治家とテレビ局にメリットがあるだけ
3時間にわたるSPのメーンテーマは〈ニッポンの頭痛のタネを徹底分析〉。
与党からは平沢勝栄(自民)ら5人が、野党からは原口一博(民主)ら7人が出演した。
ところが、肝心の“分析”は皆無で、番組の7割は石破防衛相、冬柴国交相、鳩山法相ら
政治家の失言の数々をまとめたVTRだった。
先週14日の放送でもオフザケが目立った。この日のテーマは「裁判員制度」で、
法務省の〈裁判員参上!〉という広報看板の“センス”が議論に。
その中で、自民の丸山和也参院議員が「“友人の友人は裁判員”に勝るものはない」と
はぐらかした。
「友人の―」は鳩山法相の“友人の友人はアルカイダ”発言に引っ掛けたものである。
タックルのスタートは1989年で、間もなく20周年を迎える“長寿番組”だ。
テレビ朝日が放送を続ける意図は何か。
日刊ゲンダイ本紙コラム「なっとくTV総研」のみやざき五郎氏がこう言う。
「まず、政治家はほぼノーギャラだし、視聴率もそこそこで、テレ朝にとって商売的に
“おいしい”番組といえます。
もっとも、それ以上のメリットは政治家とのコネクションづくりではないか。
政治家は出演すれば知名度がアップして選挙対策にもなる。
その見返りでテレビ局は政界の情報を流してもらう。つまり視聴者不在。
本音の話は二の次、三の次ということです。マジメに見ていたら、逆に政治不信に陥りますよ」
前出の伊藤達美氏もこう言う。
「テレ朝は結果的に、政治家の売名に加担していることを自覚すべきです。
番組が国民にとってどんなメリット、デメリットがあるのかをもっと真剣にマスメディアと
して考えないと……」
もし“バラエティーだから”と開き直るのであれば、前後に「この番組はバラエティーです」
とテロップやナレーションを入れて告知してはどうか。
566:匿名希望さん
08/05/24 19:32:32
「関口宏の東京フレンドパークII」 2008年4月30日 掲載
URLリンク(gendai.net)
たわいないアトラクションに興じる大人を見せられ虚しくなる
タレントが集まってただただ遊んで大ハシャギ―。
TBSのゲームバラエティー「関口宏の東京フレンドパークII」はそんな番組だ。
“支配人”の関口宏、“副支配人”の渡辺正行が司会進行役を務め、週替わりで
2人ペアのゲスト(3人以上の場合もある)が登場。5つのアトラクションに挑戦し、
一定のノルマをクリアすると10万円相当の金貨を獲得できる。
最後にその金貨でダーツの矢を“購入”して、的に書かれた豪華賞品の獲得を目指す
というのが番組の流れ。
21日の放送では勝俣州和と「よゐこ」の有野晋哉が出演。
トランポリンを使ってどこまで壁の高い位置に到達できるかに挑戦する「ウォールクラッシュ」や、
ボウリングをベースにした「ブンブンボウリング」、巨大なシーソーに乗ってボールを運ぶ
「ネヴァーワイプアウト」などのアトラクションにトライ。
ノルマをクリアするたびに勝俣が「奇跡です!」と絶叫すれば、関口と渡辺は「スゴイよ」とベタボメ。
最後のダーツでは有野が最高賞品の三菱自動車「パジェロミニ」を獲得し、バンザイしたり抱き合ったりと
大騒ぎだった。
「タレントが自分たちだけで盛り上がっている姿をひたすら見せられている。
視聴者はたまりません」と、こう言うのは放送評論家の松尾羊一氏。
567:匿名希望さん
08/05/24 19:32:53
「この番組のアトラクションはモグラ叩き、射的、玉入れなど昔からあるゲームをアレンジしたものが多い。
そんな一時代前のゲームでタレントがバカ騒ぎする姿を見ていると、廃れた温泉街に慰安旅行に出かけた
団体客が酔いに任せて、射的や輪投げやスマートボールなどに興じ、仲間がはやし立てている風景が浮かんでくる。
寂れたむなしさを感じますね。アトラクションはたわいもないものばかりで、視聴者がなるほどと感心したり、
知的好奇心を満たすような要素がまったくありません。
ゲスト出演しているタレントに対してミーハー的な興味がある場合はまだマシなのでしょうが、そうでなければ
番組を見ている時間がもったいない」
関口や渡辺とゲストのやりとりで、思わず笑ってしまうような場面もなければ、恒例のアトラクション
「ハイパーホッケー」でのホンジャマカも着ぐるみを着ているだけで何の芸もない。
バラエティーとしても中途半端な印象を受ける。
我が子が“お遊戯”しているならそれでも楽しいが、アカの他人、それも大の大人では興味半減以下だ。
それでも、絶頂期には20%近い視聴率をマークし、最近でも15%近い数字を稼いでいるのだから驚きだ。
「TBSにしてみればこれほど楽な番組はないでしょう。
アトラクションの製作には費用がかかっていますが、それ以外は予定調和というか“マニュアル”通りに
番組を作っていればいいわけですからね。
人気タレントを呼んでこの程度のゲームをやらせれば、視聴者は喜んで見るだろうという安易な発想があって、
制作側がタカをくくっている印象を受けます」(松尾羊一氏=前出)
これほど毒にも薬にもならない番組も珍しい。
568:匿名希望さん
08/05/24 19:39:07
「おネエ★MANS」 2008年5月7日 掲載
URLリンク(gendai.net)
男の子が「いくわよ~」なんてマネするから母親たちが困っている
「どんだけ」「あら~」「かわいい~」
こんな会話が飛び交う番組が昨秋からゴールデンタイムで放送されている。
おネエキャラ全員集合番組「おネエ★MANS」(日本テレビ)である。
2丁目的“夜の世界”が老若男女の食事時に繰り広げられる。
レギュラーはいずれもその世界のカリスマだという。
メーキャップ&ヘアのIKKO、ファッション植松晃士、ヘアスタイリスト平澤隆司、
フードスタイリスト・マロンらだ。司会はTOKIOの山口達也。
前半は芸人やタレントを出演させてのイメチェンがメーン。後半はマロン、
平澤らによるパフォーマンスだ。
直近でイメチェンのゲストとして登場したのは友近、泰葉、西川史子らで、4月15日は
森三中で1人だけ結婚できない黒沢かずこ、22日は結婚していることがわかった不思議芸の鳥居みゆき。
例えば鳥居は雑誌「CanCam」のモデル風にチャレンジした。まずIKKOがメークを実演。
衣装を植松が担当して、鳥居がエビちゃん風に変身した。
そもそも鳥居がエビちゃん風になることはどうでもいいが、番組中、オネエ言葉のオンパレードにはウンザリ。
時々、割って入る山口がとてもマトモに見えてしまう。
チェックすると、会話に漢字や熟語が少ないこともわかる。
しゃべりを字幕にした時に、ここまで漢字が少ない番組は珍しいのではないか。
とくにひどいのはIKKO。メーク用語以外は「かわいい」「わかんないもん」「こわいわ、この女」
「ちょっとビミョー」といった調子だ。
植松は少しはマシだが、それでも「なんか、もうグッタリ」「イヤー、なんかマズそう」と似たり寄ったり。
569:匿名希望さん
08/05/24 19:39:33
●ごく普通の日常的な会話ができなくなる
放送ジャーナリストの伊勢暁史氏がこう言う。
「この番組で話しているのはおネエ言葉か、感嘆詞のような言葉だけ。
こういう会話にドップリつかっていると、ごく普通の日常的な会話ができなくなる。
思考も停止せざるをえない。こんな言葉を吐き散らし、定着させるのは問題です。
仮にバスの中で、こんな会話がバンバン飛び交っていたとしたら、どんな気持ちになりますか」
日刊ゲンダイ本紙「なっとくテレビ総研」のみやざき五郎氏もこう指摘する。
「気になるのは子供たちへの影響。すぐマネするからね。スポーツをしている時に男の子が
“いくわよ~”なんていうから母親たちが困っているという話も聞く。
放送するなら子供が見ない深夜にしてほしい」
もっとも、この番組のよくできたところはHPがしっかりしていることだ。
番組進行に従って写真付きでメーク法などを端的に説明している。
しかも、化粧品やファッションのブランド名から価格まで掲載されていて親切。
カリスマたちのノウハウを習得するにはHPで十分。見続ける必要はないかもしれないが。
570:匿名希望さん
08/05/24 19:45:55
「はねるのトびら」 2008年5月14日 掲載
URLリンク(gendai.net)
仲間内で面白がっているだけで最近は手抜き感が漂っている
どこが面白いのかサッパリわからない。フジテレビのバラエティー「はねるのトびら」である。
キングコング(西野亮廣、梶原雄太)、ロバート(秋山竜次、馬場裕之、山本博)、
ドランクドラゴン(塚地武雅、鈴木拓)、インパルス(板倉俊之、堤下敦)、
北陽(虻川美穂子、伊藤さおり)という若手芸人たちがレギュラーを務める。
深夜の30分枠から3年前にゴールデンの1時間枠に昇格し、コンスタントに18%前後の
高視聴率を記録している人気番組だ。
もっとも、内容はお粗末の一言。
かつては、若者文化を絶妙にチャカすような笑えるコントが中心だったが、ここ数年はゲストを
交えたゲームが大半になっている。
先月23日の放送では、100円で買える安価な商品の中に交ざっている見分けがつきにくい
高額商品を避けながら、100円の商品を選んでいくコーナー「ほぼ100円ショップ」が放送された。
高額商品を選んでしまった場合は自腹で買い取らなければならないため、ゲストの永井大、
いとうあいこを交えたメンバーたちが、「高い」だの「安い」だのとハシャギまわっていた。
7日は外国人に扮したメンバーとゲストの志田未来による「回転SUSHI」を放送。
ベルトコンベヤーの上を流れているネタをそのまま箸を使って順番に食べていき、つかみ損ねたら
罰ゲームを受ける。
571:匿名希望さん
08/05/24 19:46:41
ネタをポロッとやるたびに大騒ぎするバカバカしさである。
「ギリギリッス」のコーナーでは、巨大扇風機が起こす風速25メートルの強風の中で、どれだけ多くの
こいのぼりを付けてポールを立てられるかに挑戦した。
いずれも、失敗したときのリアクションや罰ゲームを笑うスタイルで、“芸”と呼ぶにはほど遠い。
作家の吉川潮氏はこう言う。
「同好会の仲間が居酒屋のコンパで余興を披露し、自分たちだけでバカ騒ぎしているような番組です。
出演しているコンビはそれぞれが面白い漫才やコントをできるのに、この番組でユニットを組むと
レベルがいきなり低くなる。
内容がコントからゲーム中心になって、仲間内だけで面白がっている傾向に拍車がかかりました。
大して面白くもないのに、スタッフのわざとらしい笑い声が聞こえるのも興ざめだし、部外者である
我々が見ても楽しめません」
このところの「コントバラエティー」では、こうした“内輪ウケ”が横行している。
「とんねるずのみなさんのおかげでした」や「めちゃ×2イケてるッ!」も同様だ。
「『はねる』の場合、深夜の頃はまだそれぞれが売れていなかったこともあって“絶対に番組を成功させる”
といった意気込みが感じられました。
コントもよく練り込まれていたし、稽古にも時間を割いていたのは明らかで完成度は高かった。
しかし、メンバーが売れっ子になったことで安易な企画が目立ち始め、全体的な手抜き感が漂っている」
(前出の吉川氏)
現在、日本でいちばん視聴率を獲得しているバラエティーがこの体たらくでは、他も推して知るべしだ。