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車輪の支柱に構造上の問題 【NHKニュース 5月9日 19時31分】
ことし3月、成田空港で貨物機が着陸に失敗し炎上した事故で、車輪の支柱に構造上の問題があり、
これが機体の破壊につながった可能性があることがわかりました。過去に海外で起きた事故でも同じ
問題が指摘されており、国の運輸安全委員会は、車輪の支柱などを詳しく鑑定することになりました。
この事故は、ことし3月、成田空港で、アメリカの航空貨物会社、フェデラル・エクスプレス航空の
MD11型機が滑走路上で激しくバウンドして主翼が折れ、漏れ出した燃料が炎上し、乗員2人が
死亡したものです。運輸安全委員会のその後の調べで、車輪と主翼の間にあって着陸時の衝撃を
緩和する「緩衝支柱」と呼ばれる部分に構造上の問題があり、これが主翼の破壊につながった
可能性があることがわかりました。車輪に想定以上の強い衝撃が加わっても支柱が外れない構造に
なっているため、主翼の狭い範囲に衝撃が集中し折れたとみられるということです。
この問題は、平成9年に同型機がアメリカ・ニュージャージー州の空港で起こした事故で、NTSB=
国家運輸安全委員会が指摘し、衝撃を逃がすため支柱が外れる構造に改めるよう求め、航空当局や
メーカーが対策を検討していましたが、改修は行われていませんでした。運輸安全委員会は、支柱の
構造上の問題と今回の事故とのかかわりを明らかにするため、支柱や主翼の詳しい鑑定を行うことに
しています。