07/06/30 15:38:51
五代富文氏が『国家としての宇宙戦略論』 (2006年8月4日発行)の73ページで次のようなことを書いているよ。
↓
―抜粋―
■ロケットの発射場について
ロケットの発射場については、40年ほど前、種子島を選定するときに参画したが、日本から静止衛星を打ち上げるには、当時としては理想的であったと思う。ただし種子島は20世紀の発射場である。
世界で一番美しい発射場です、と褒め言葉としていってはいるが、面積が狭く安全上の問題がひじょうに多い。射場近くにホテルができたことは結構であるが、安全上の問題も考えなければならない。
また漁業問題と、保安、気象の関係で、打ち上げ日が限定されてきた。現在も気候の不安定な冬季と、夏季も後半の台風期を中心に年間190日がロケットに許された打ち上げ期間である。このような国は世界にまったくない。
また、衛星を極軌道(地球を南北の縦方向に回る軌道)に上げるためには、真直ぐ南に打ち上げたいが、種子島からではこれができない。
いったん東方海上にロケットを打ち出してから、軌道を強制的に曲げる。それからフィリピン上空に到達するまでに、保安上の理由から、第2段ロケット(H2Aでは第1段がこれに相当する)を海洋に落下させておかなければならない。
種子島から極軌道へ打ち上げはできるが、ロケットの大きさの割に、あまり大きな観測衛星は上げられない状態である。強制的な軌道変換のために余分にロケットを消費するためである。