08/09/28 18:34:41
>>842
「このシーンの撮影を任じられていた側近たちによれば、並み居る
帝国高官たちの中で体全体で最もうまくリズムを踊って取っていたのが
ほかならぬあのオーベルシュタインであったとされている。それが
彼の本心によるものであったのか、それともまたなんらかの謀略の
一環であったのかのついては意見が分かれている。
ただし、彼の腹心であったとされるフェルナーによれば、彼の上司の
顔には、踊りが開始された直後、一瞬ではあるが、実に嬉しそうな
笑みが浮かんだという。その表情は長い厳冬における小春日和さながらの
ものだったが、すぐに消え去ったと日記に書かれている。
その後、彼の上司は例の謹厳な表情で体を動かしていたが
意外にも最後まで皇帝の動きからまったく遅れることなく、見事なシンクロを
示していた。
軍務尚書の横で四苦八苦していたビッテンフェルト上級大将と比較すれば
その動きの正確さは一目瞭然だったという」