08/05/01 15:07:59
『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
幾種もの海棲生物が群れを成して人類の不利益に貢献してゆく。
その攻撃は多角的。
北大西洋沿岸が主な被害地となり、NATOが米国を中心に専門家を集め原因解明に乗り出す。
人類のならず者によるものにしては無駄と規模が大きいので、対策チームはコレはバイオテクノロジーに長けた海棲知性体による攻撃と断定。
攻撃の先兵となっている動物たちの脳を支配しているらしき、発光を行うゼラチン状物質の解明から、知性体を探る。
またSETIの専門家も呼び、ファーストコンタクトの準備を行う。
知性体はYrr(イール)と名付けられ、単細胞生物の群体であることが判明。
またパルスによるコンタクトが成功。
連中は水のあるところに遍く存在し、実は太古から地球の支配者は彼らであったようだ。
これは海洋を汚染する人類の対する嫌がらせっぽい。
米国の指揮官である、リー(♀)は頭の悪いタイプの愛国者であるようで、部下が作った毒素でYrrを殲滅しようとする。
で、科学者達はYrrの殲滅は地球環境構造そのものの破壊となり人類の滅びにもつながると警告するが、リー達は聞き入れない。
でもって、科学者達と軍人のくんぐほぐれつな乱闘が始まる。←これがクライマックス。
Yrrからの攻撃に乗じてリー一党を犠牲を出しつつ始末し、同時進行的に行われていた別アプローチによるコンタクトも成功し
(自分には何故かは解らないが)Yrrからの攻撃は収束する。
コンタクトにはいるまでの過程は面白く読めた。
攻撃による、規模の大きい災害被害とか、その対応とか好きだし。
でもねえ、リーとかいらねえし。アホな終わり方でした。
似た内容でも、『パンドラ』の方が三倍は面白いかな。