今日読んだSF/FT/HRの感想 9冊目at SF
今日読んだSF/FT/HRの感想 9冊目 - 暇つぶし2ch50:ミステリ板住人 ◆22RAaWR.nE
08/04/29 22:07:36
石ノ森章太郎「ロボット刑事」                  5点
テレビの企画先行の作とはいえ、これもなかなかの面白さだが、
残虐な殺人シーンは、かなりエグいものがある。
一大ブームを巻き起こした映画「ロボコップ」公開時には、その先見性を評価する声もあった。
(脳天気なものが多いハリウッド作品でありながら、「ロボコップ」の第1作には微妙に
石ノ森作品に通じる「暗さ」が漂っていた点は面白い)
当初、K(ロボット刑事)とマザー(Kの製作者が操作する巨大ロボ)の関係を見ると、
石ノ森作品には珍しい「母子」がメーンテーマかと思わせるが、
終盤に来て、マザーの正体(正確には操作者でありKの製作者)は、
戦時中にロボットの戦争利用を拒否し弾圧された天才科学者の娘であり、
Kたちが追うロボットによる殺人を繰り返す悪の組織R・R・K・Kの首領は彼女の弟だった
という真相が判明(弟を社会への復讐へ走らせる直接の因となった姉の顔の傷は弟のミス
によるものというトラウマ決定のエピも付く)することにより、
石ノ森作品らしい姉弟関係の存在が浮かび上がり、最後にはマザーは弟の乗った巨大ロボと
共に自爆してまう。残されたKが憐れ過ぎかも・・・

51:名無しは無慈悲な夜の女王
08/04/30 01:42:40
>中公新書でベストセラーになった「ゾウの時間、ネズミの時間」を少し想起させるような作、

…トホホ

52:ミステリ板住人 ◆22RAaWR.nE
08/04/30 22:08:16
ロバート・J・ソウヤ-「スタープレックス」            5点
ほとんど戦闘能力を持たない科学探査船の宇宙航海という設定が面白い。
地球人の船長が率いるクルーは、豚に似たウオルダフード族、異形体のイブ族、
人間とコミュニケ可能(注 コミケではない(w )となったイルカとキャラそのものが
SF的ギミックの如きであり、アホなSFオタは狂喜乱舞か(w
ダークマタ-の正体は惑星大の生物であり、彼らが銀河系宇宙の創造者であったという
スケール大のトンデモな展開、しかし、宇宙の滅亡に対処出来るのは「二本の手を持ついきもの」であったという救いがあるオチもつく作。
スペース・オぺラ風の戦闘シーンまであって、それなりに楽しめるのだが、
「ゴールデン・フリース」のダークで印象的なタッチが忘れられない者としては、
ハッピーエンディングに走る作者の志向が惜しまれるものがある。

53:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 01:08:58
『太陽の炎』 ジョージ・アレック・エフィンジャー

サイバーパンク小説というよりもアラブ世界を舞台にしたハードボイルド小説。

主人公がタッグを無理やり組まされ、当初は意見や感情面でソリが合わないが、
徐々にそれが改善してきて良いチームになってきたところで、相棒の死。
で、主人公が相棒の仇を討つみたいな典型的にベタな流れ。

おまけに主人公の酒・ドラッグ、電脳ソフトに対する韜晦の有り様が、
如何にもこの手の小説に有りがちな感じ。
でもそれが読んでいて居心地が良いんだよね、この小説。

結末に関して一部ファンの間で異論があるみたいだけど、
自分としてはこの小説の終わり方は“有り”でした。

評価6点

54:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 01:20:04
『電脳砂漠』 ジョージ・アレック・エフィンジャー

やっぱりサイバーパンクというよりもハードボイルド小説。
とは言っても、冒頭でいきなり砂漠のど真ん中に追放されてしまうんだが(笑)。

しかし終盤の事件解決のきっかけとなるフリー・トレンダー・ベイによる折檻(?)は、
それまでの小説の流れから見て、あまりに唐突過ぎて変だと思った。

あれは無理スジというものでしょう。

フリー・トレンダー・ベイとアブ・アーディルのライバル関係については次作とのことだが、
確かエフィンジャーって亡くなられてて、続編は出てないんですよね?
残念です。

『重力が衰えるとき』を読んでから、
古本で続編2冊を購入して読むまでの間に数年掛かったので、
作中に出てくる半ハジとかの意味が分からなくなってたのが個人的に悔やまれます。

評価6点

55:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 01:29:57
『宇宙船ビーグル号の冒険』 ヴァン・ヴォークト

総合科学ってカッコイイ過ぎるだろ(笑)。
この小説を高校生になるまでの間に読んでたら、
もしかしたら理系から文転しなかったかもしれない。
まぁこの嘆きは、SFを読み始めたのが20代になってからなんで仕方が無いけどさ……。

話に関して言えば、ケアル、リーム人、イクストルといった宇宙人と戦う内はともかく、
最後のアナビスの辺から話の雰囲気が急変。
主人公のエリオット・グローヴナーって……ヤバい性格じゃないか?

話の冒頭から何からの密命を帯びて船に乗り込んでるのは分かったけど、
ここまで策士だとは予想できなかった。

もの凄い角度で落ちるフォークみたいで、話の終わり方にキョトンとした。

評価7点

56:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 15:07:59
『深海のYrr』 フランク・シェッツィング

幾種もの海棲生物が群れを成して人類の不利益に貢献してゆく。
その攻撃は多角的。

北大西洋沿岸が主な被害地となり、NATOが米国を中心に専門家を集め原因解明に乗り出す。
人類のならず者によるものにしては無駄と規模が大きいので、対策チームはコレはバイオテクノロジーに長けた海棲知性体による攻撃と断定。
攻撃の先兵となっている動物たちの脳を支配しているらしき、発光を行うゼラチン状物質の解明から、知性体を探る。
またSETIの専門家も呼び、ファーストコンタクトの準備を行う。

知性体はYrr(イール)と名付けられ、単細胞生物の群体であることが判明。
またパルスによるコンタクトが成功。
連中は水のあるところに遍く存在し、実は太古から地球の支配者は彼らであったようだ。
これは海洋を汚染する人類の対する嫌がらせっぽい。

米国の指揮官である、リー(♀)は頭の悪いタイプの愛国者であるようで、部下が作った毒素でYrrを殲滅しようとする。
で、科学者達はYrrの殲滅は地球環境構造そのものの破壊となり人類の滅びにもつながると警告するが、リー達は聞き入れない。
でもって、科学者達と軍人のくんぐほぐれつな乱闘が始まる。←これがクライマックス。

Yrrからの攻撃に乗じてリー一党を犠牲を出しつつ始末し、同時進行的に行われていた別アプローチによるコンタクトも成功し
(自分には何故かは解らないが)Yrrからの攻撃は収束する。


コンタクトにはいるまでの過程は面白く読めた。
攻撃による、規模の大きい災害被害とか、その対応とか好きだし。
でもねえ、リーとかいらねえし。アホな終わり方でした。
似た内容でも、『パンドラ』の方が三倍は面白いかな。

57:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 15:12:55
ん、どうやらフェロモンを使って、Yrrに人間とYrrの同一視を成功させ、
攻撃を停止させたっぽい。
壊れた同族以外をYrrは攻撃しない性質を利用したようだが。

いずれにせよ、微妙なオチな様な。

58:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 16:02:47
>>56 >>57
 
感想と見せかけたただのネタバレウンコ野朗。

59:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 16:57:24
こんな浅い読みで切って捨てられる作品が気の毒だなw

60:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 17:20:04
中国人だからしかたないよ。

61:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 19:39:33
あの作品ってアクションだけじゃなく謎解きもけっこうな肝だったと思うが、
それをこんな風に丸ごと書き写した上に「微妙」で切って捨てるんじゃあ
作者が浮かばれないなw


62:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/01 20:09:43
子供にハードSFや本格推理小説読ませたら「微妙」って感想になるだろうよ。

63:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 00:03:32
結論。>>56は中国人の子供で日本に不法滞在している。

64:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 02:13:26
しまった、ついうっかり56_57を見てしまった。
買うつもりだったが、もういいや・・・

65:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 07:36:38
被害甚大だな。
56-57は死ね。

66:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 11:02:03
「チャンピオンたちの朝食」カート・ヴォネガット・Jr 8点
最初はずっと凡庸な作品だと思って読んでいた。この小説のどこの箇所でも笑わなかったし、
新しい知的発見をすることもなかった。だが、おれは280ページあたりを読んでいた時、
不意に涙ぐんでしまったのだ。確かにおれはこの小説に感動し、涙ぐんだのだ。
ヴォネガットを読んでいると、なぜか涙ぐんでしまうことがある。この小説にもそれはあった。
この小説は、唯我論を扱った作品であり、また、作者が作中に登場してくるというメタな要素ももっており、
そういう意味ではSFといえるだろう。おれはこの小説をぎりぎりSFであると判断することにした。
55位/121作品中

67:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 18:31:22
『カエアンの聖衣』  バリントン・J・ベイリー

“服は人なり”。
このアイデアだけで最後まで突っ走るSF小説。

カエアン製の衣裳は、着た人間に向精神薬のような影響を与え、
さらにその影響を周囲にも及ぼす独創的なスタイル。
その服装の隠された秘密を追い求めるのがメインテーマ。

話としては、『指輪物語』の一つの指輪を巡る展開に似ていました。
ちなみにゴクリみたいな人も出てきますw。

それにしてもこの小説は奇想天外なアイデアを扱っているよう見えますが、
この“服は人なり”は、なかなか含蓄のあるテーマだと思いました。

今から10年前くらいに読んだ『豊かさの精神病理 (岩波新書)』という本の中で、
「ブランド物で個性に自信」などのファッション雑誌の決まり文句が紹介されてました。

当時は、自分が高度消費社会を生きているという自覚が無かったので、
ブランド物や雑誌のマニュアルで強化される“個性”って何だよ(笑)、
と無責任に嘲笑っていました。

でも世間で普通に「勝負服」、「勝負パンツ」という言葉が流布されているように、
カエアン的な発想が、普通に我々を蝕んでいる現実も無視できないんだよなぁ……。

小ネタで言えば、日本人の末裔も出てきます。
宇宙空間に適応化したサイボーグや、“ヤクーサ・ボンズ”としてw。
70年~80年代のSF小説に有りがちな変な日本人ですねw。

あとは、小説冒頭の可聴下音(インフラサウンド)に支配された惑星のネタも面白かった。

評価:8点

68:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 19:01:29
>>67 「カエアンの聖衣」はおれの読み方と他の人の意見がひどくくいちがっているので、
意見を聞かせてくれ。
おれには、この話はサイボーグ種族と遭遇する前半部と、
なんだか忘れたが不思議な服を探しにいく後半部とにはっきりと別れた作品なのだ。
本当にあなたのいうように、「服は人なり」のアイデアで終始一貫して突っ走っていく物語なのか?
おれはちがうと思う。おれには前半部はかなり面白く、後半部はつまらない話だったのだ。
サイボーグ種族に関するアイデアがぶっとんでおり面白く、後半の服の話はどうでもよかった。

69:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/02 23:16:25
>>67ではないが二部構成には同意。前半でアイデアを蒔いて後半そのアイデアを収穫したって感じだね。
個人的にはサイボーグの使い方が気に入ったんで後半のが好きだ。

ただ取っ付きにくさは半端じゃなかったな。当時はSFばっか読んでたのに。

70:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 00:01:40
ロッド・サーリング「トワイライトゾーン1・2」
とにかくジャンルの幅が広い短編集だった。
「歩いていける距離」みたいな懐古趣味の作品があるかと思うと「メープル通りの怪」みたいな不気味な作品もある。
特に気に入ったのは「柔和な人のクリスマス」と「魔法の砂」の二篇。
どちらの話でもダメな奴、ヤな奴、みんなが優しくなれる奇跡が起こる。使い古されたテーマだけど実に良かった。
真剣に奇跡を願う人達に胸を打たれる。

1が6点、2が8点

71:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 09:02:29
>>69 後半で前半のアイデアを収穫しているのか?
おれには前半のサイボーグの話と、後半の服の話はまったく関連がなくて、
伏線もない話としか読めなかったのだが。
サイボーグの使い方が気に入って、前半でなく、後半が好きになるのか。
さっぱり、共感できない。

72:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 13:10:09
>>71
ワイドスクリーンバロックではよくあること(棒>伏線
個人的には鏡に映るサイボーグの描写こそ真のテーマだと思う。

73:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 15:15:33
提案

このスレだけでもミス板のようなネタばれはメル欄限定のような形にしないか?

ミス板のように削除されないことを知っている人間が意図的にねたばらしをする
ためだけにやってくるケースもずっと続いているわけだし・・・

感想でなくオチまではっきり書いてるあらすじなんかもう読まされるのかなわんよ

74:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 17:14:59
そういうのはブログでやれって言いたいよな。
ここだと見たくなくても見てしまう。特にミステリ要素のある作品は致命的。

ネタバレ部分は名前欄にネタバレと入れて、
ネタバレ前に10行改行を入れるとか、しかるべき方法が必要だとおもう。

75:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 17:26:59
いや、それでも見えてしまうか。やっぱりメール欄が無難。

76:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 17:27:53
ネタバレはメール欄限定にしましょ。
本文に書いたら荒らしってことで。

77:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 17:36:35
本音言えばそういうスレルールでなく、削除依頼も可能な板のローカルにしたいけどね
「スレだけのルールなんか関係ない」って平気でねたばらしする人間いるし・・・

78:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 17:37:29
あ、でもとりあえずスレのローカルとしてネタバレと思われる部分はメル欄ってのは賛成ね

79:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 21:16:38
そもそも、ネタバレになりそうな感想は控えるってのがマナーだと思うんだけどな
とりあえず長文は危ないからスルーするのが基本

80:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 21:25:57
●未読の人のために、結末部分のネタバレは厳禁とします。
 どうしても語りたい人はメール欄を活用してください。


ってテンプレにはじめから入ってるのに全く無視されているから
再確認しないといけない現実がなあ・・・

必要とあらば元老院スレたてるけどどうなん?

81:名無しは無慈悲な夜の女王
08/05/03 22:40:33
>>1に入れた方がいいかもね>ネタバレ禁止

82: ◆GacHaPR1Us
08/05/03 23:02:15
>>55
高校時代に読んだっきりだけど、たしかにそんな感じだったな。
あのマッドな策士っぷりが大好きだったが。


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