08/03/14 23:19:25
>>866より
・楽園の島、売ります
幡守 香奈枝とルクレース・マッキンデール。
片や実務的な不動産デベロッパー、片や偏屈一歩手前の昆虫学・環境学の学者。
彼女らが売り物にしてるのは『委託型自然保護計画』だった。そのはずだったのだが。
小川さんの弱点がちょっと出てるはいるが長所も出てる小品。
彼の弱点は「邪悪」が描けないという点。残酷になれないという点では「天涯の砦」で失敗しているとおり。
基本的に人間が優しすぎるんだろう。
でも、おそらく同年代だろう女性作家の佐藤 亜紀があれだけ酷薄なことと比較しても、これはどういうことかと。
でもでも、場面転換と物語のスムーズさ、つまり沖方あたりがよくやる「小難しさ」というか
フレデリックポールあたりが新人作家に指摘したという、「屁理屈はわかった、わかったから物語を進めてくれ」という
SF作家独特のクドさを消化してるあたりは小川氏の面目躍如というところだ。
・セハット・デイケア保育日誌
ある日、日本から出稼ぎ(笑)に出た保育士 阪奈 麻子が出会ったのはちょっと不思議な「星の王子さま」だ。
いっちゃん好きな作品。ヒロインがあずまんが大王の大阪っぽいのが素敵すぎる。
自分の家の裏にも保育園あって、聞き耳立てただけでも実際の保育士ってかなりの激務ちゃうんかな?って感じるんだが。
一つ一つのエピソードの発想、組み立て、さらに出てくるキャラクターの活かせ方などなど、実はかなり高難度で本作品群でもトップの物語だ。
他の物語との関連性をまったく無視したエピソードという点でもかなり高得点かと。
ところで、”THE Roids”じゃ株屋思い出すから「フューチャーメン」とでもしたほうが良かったと思う
さらに続く