08/03/14 23:18:36
妙なる技の乙女たち
小川一水 著 ポプラ社
前にも書いたけど、本作品は 菅 浩江女史の「博物館惑星」と対を成す良作品だった。
「博物館惑星」が女性的世界を観る男性を、女性の視点で描いた作品だとすれば、
この作品は男性の世界に生きる女性を、男性の視点で描いた作品として。
・天上のデザイナー
宇宙服デザインコンペに果敢に挑戦する新人デザイナー 京野 歩(すすむ)の物語。
本作品群のコンセプトとして、『日本人女性』の『未来の多民族都市』における
アイデンティティの追求という姿があるけど、その短編集を飾る一品。
んでもって今回の隠れコンセプトとして「日本人男性は使えないモボ」というのもしっかり確立されている。
ベドウィン青年ハキム君がいい味だしてる。ヒロインのイメージはアニメ版「時をかける少女」の紺野真琴か。
・港のタクシー艇長(スキッパー)
歌島水央は小型交通艇のシングル・スキッパー。
ツいてない日によりにもよって強面後見人メッツェラー将軍(こっちのほうが正しい発音のように思える)を乗せてしまう・・・。
オムニバス第二弾はタクシーの運ちゃん。
水央の人生観だとかメッツラー将軍の行動規範だとかにちょっと違和感があるにある。
それに、バーストストゥームだとかなにやら、やたらアクシデントが人為的なので
「こんなに一日で船半壊させてたらやってられねーんじゃねーの?」
などということは言ってはならない。小説なんだから。でもいっそのこと海賊だせばよかったんだ。
続く