08/02/28 10:43:14
G・イーガン「宇宙消失」
SFは普段はあまり読まないけど、今、量子力学の解釈問題に関心があるので
フィクションでこのネタはどう扱われているかと
JPホーガン「量子宇宙干渉機」バクスター「時間無限大」とともにこの本を読んで
みたが話としてはこれが一番面白かった。
安っぽいハードボイルドタッチなのが映画「ブレードランナー」っぽくてナイス。
ただ、脳をコンピューターのように使える技術が実用化普及しているのに、
脳に匹敵するコンピューター・人工知能・それを搭載したロボットが出てこない
存在していないらしいのは、この作品のテーマである人間の意識の問題にからめて
人間以外の知性を出しちゃうと話がややこしくなるためだろうが、
そっち方面にも言及してればもっと興味深かったように思う。
量子力学の観測問題については別に新しい知見をあたえてくれるものではなかった、
むしろ、観測というより予言じゃないか、とも思ったけど、話全体が面白かったから
この辺は些事だけどね。