08/02/23 14:45:21
『虎よ、虎よ!』 アルフレッド・ベスター
世評に名高い同作品を古本屋で購入して、遂に読むことに成功。
これは凄い本だぁぁぁぁー。
オールタイムベスト系の本を読むと、「何が凄いの?」と思うことが有るが、
これは本当に評判通りの素晴らしさに感服。
ダシール・ハメットのようなハードボイルド文体から紡ぎだされる、荒唐無稽なストーリー。
たまに見られる御都合主義な展開も、これだけ激しく話が転がり続ければ気にする暇もない。
それにしても、これを素面(しらふ)で書いたんだとしたら凄い。
まるでヤク中の禁断症状下でみる悪夢のような話の展開を
全て理性で書き切ってるんだとしたら、ベスター真に恐るべしw。
SFというジャンルに限らず、今まで読んで来た小説全てと比べても、
この本作に匹敵する展開力を持った小説というのは、ちょっと自分の記憶に見当たらない。
ジョウント、電撃急加速などのアイデアは、漫画の『ジョジョ』を観ているようだった。
おまけにこの本が発表されたのが、今から50年以上前の1956年とは……。
こういうブッ飛んだ小説が有るから、SFを読むのを止められないんだよなぁ~。
評価≒10点