07/12/18 16:45:27
『緑の瞳のアマリリス』 ジェイン・アン・クレンツ ハヤカワSF文庫
最近のSFをあまり読んでいないので、近頃の俺は比較的最近発刊されたSFを
ブックオフでみかけると内容も見ずについつい買ってしまう。
ハーレクインロマンスを言われるようなジャンルの小説を読んだことがないので
はっきりと言いかねるが、多分この小説からSF風味を引いた小説がそれに近いのだろう。
タフで有能だがちょっと過去を引きずっている男と、これまた有能だがお堅い美女の取り合わせで、
ある理由により二人が将来的に幸せな関係を築けるわけがないと周囲から言われ、
かつその自覚もお互いあるのに惹かれあう・・・みたいな。
上記のような恋愛要素に殺人事件等のミステリをストーリーの主軸にし、
かつSF的ガジェットとして地球から隔絶された殖民惑星での結婚観や超能力が
舞台装置になる。
超能力の味付けはなかなか面白い。
いかに大きな超能力を持っていてもその持続時間はわずかで、同等のレベルをもつ
「プリズム」能力者と協力することではじめてその能力を持続的に使える。
SF読者としてはこの辺ふくらましてほしかったが・・・。
まあ、たまにはこんな小説を読んでみるのもいいかもしれん。