08/07/27 04:50:51
ポーってホラー作家に分類されんの?いや、別にケチをつけるわけじゃないけどさ。
ポーの全集をざっと読んだけど、現代のエンタメ文学の源流っぽいことを結構やってるね。
探偵推理小説の元祖なんてのは有名だけど(「モルグ街」「マリー・ロジェ」「盗まれた手紙」「you are the man」)
ドイルがパクった(「踊る人形」)暗号ネタ(「The gold bug」)とかは冒険小説っぽいかも。
ジュール・ヴェルヌ的空想科学小説のスタイルもある。(「ハンス・プファル」「軽気球夢譚」「メールシュとレーム」)。
もちろんポーの方が先んじている。
コメディ小説(「鐘楼の悪魔」「使い切った男」「ペスト王」「息の喪失」「ミイラとの論争」「不条理の天使」「名士の群れ」
「タール博士とフェザー教授の療法」「エルサレムの物語」)。
純然たるホラーというのはあまりないけど、「メッツェンガーシュタイン」はドイツのゴシック小説のパロディ。
「ベレニス(転生っぽい話)」「モレラ(死んだ女の歯を抜いちゃう話)」「リイジア(女の目玉をくり抜く話)」もあるし、
「楕円形の肖像(画家が恋人の肖像を書けば書くほど、その恋人が衰弱して、完成したと同時に死ぬ話)」はホラー?
「ウィリアム・ウィルソン」はドッペルゲンガーっぽい話。「赤死病の仮面」とかは、ホラー?
ちなみにラブクラフトの「狂気の山脈(The mountain of madness)」は、ポーの「アーサー・ゴードン・ピム」の続編である。
クトゥルー神話の源泉の一つがポーであったのは間違いないかも。
「影」「壜の中の手記」なんかは、そのまま発展させればラブクラフトっぽくなるような感じがする。
ラブクラフトはダンセイニとポーをよく読みこんでいたんだよね、確か。