10/06/25 22:38:17 BjChZ90v
以前、投稿したのを推敲しました。何か平凡になった気がしないでもない…。
「推力深度」
影をふり乱す葉桜
ふくらむ光線をかき鳴らす
耳鼻管を酔わせる草の精気
吹きわたる和音が昔を思い出させる
輝く海を横目に湾岸を駆けていた
まだ穏やかな波が磯の苦さを呼びこみ
さえぎるもののない太陽を
制服の襟元に飲みくだしていた
間に合うように急ぐ姿を
誰もが朝の光景だと誤解している
この一身 空白経絡を
秒針で刻むなんて出来はしないのに
ベッドに火をつけたいような気持ちで
眠りよりも沈黙するものが行く
始まりは新生児室で孤独だった
幼稚園でも小学校に上がっても
すこしも笑わず脱走を繰り返した
その爆発は今も澄みきっていて
木化した猫背を推しているのだ
力強く踏み出したら
自転車のチェーンが外れた
風が止まって汗が漏れる
人さし指に赤錆をなすりつけつつ
誰のためでもなく手際よく直す