10/06/20 12:52:05 zV3/+61g
「暑さと宇宙」
暑がっているのでした
畳がはげて張り付いて
暑がっているのでした
汗がだくだくとだくだくと
熱帯のようでもないようで
外はどうやら風が吹いてて
道行く人は心地よく
道行く人は心地よく
ふわりと宇宙に呼ばれた気がして 四畳半から出てみようかと
そっと思ってみたけれど そんなに向こうに興味は無いし
だいだいレポートも何でも終わってないから出てはいけない
秋待つ虫になりすがるけど 夏が来るまで耐えられない
ハロー、こちらはぼくの城 そちらの宇宙は燃えていますか?
ハロー、応答願います ハロー、応答願います さあ
電波はきっと大丈夫、怖くない
映さない、要らないものはかけらだけ
だくだくとだくだくと
道行く人は気にもしないけど
だくだくとまるで蝸牛
のそりと汗をかきながら
暑がっているのでした
宇宙飛行士になりたかったぼく
畳のとげはTシャツを裂いて
はやぶさのように夢を割る
俗っぽく描こう なるだけまじめに
でも深刻にはならないように
楽しいじゃない うかれちゃいなよ
変わってしまった そんな自分を見て悦に入る
サバンナは暑いけれど こう、蒸し暑くなかった
からりと燃えて、目玉の焦げる音がした
やっぱりここは熱帯なのかもしれない
蒸しタオルで体を拭いて清めて感じて
四畳半の窓を割る夢
宇宙、それに会いに行く
窓の向こうの宇宙の風は人と電波をつなぐだろうか
糸でつないだ電話の端にくちづける
息を吸わなくちゃならないな
あ、そうか、向こうは宇宙じゃないのかも
Tシャツのままで出てもいいかな