10/01/20 02:25:13 AI38IzJQ
透明な意識は不揃いの夢の中
満月に照らされた湖と
そこに映る「現実」
吸い込まれそうなその世界は
残酷なまでに綺麗でした
愁いは風と歩み沈黙の森へ
眠りの木々には真紅が足りない
風と絡む微かな声
振り向けば居ないはずの少女
-彼女の手首は綺麗ですか?-
震える夜に月堕とした命
香りを纏う 灯火の花
涙添えて 深まる眠り
祈りを捧ぐ 葬送の列
袖濡らし 挽歌を綴る
太陽に見透かされそうな心は
逃げるように朝の訪れを拒み
暗闇で膝を抱えた時間には
生きる罪を問われる
生かされる事 その理由を
…死にたくはない 消えたい…
消えない
ただ生きている それだけの事
閉ざした視界
憂鬱に指を噛み続け
棺を見つめる
焼き払えば静寂
他には何もない自分と重ねる
少年は灰色の地に立つ
さようなら
途絶えそうな景色の中
繋いでいたい想いは
冷たい左手に触れて
安らかに涙も枯れるだろう
静かに夜は明ける
太陽からは逃れない