09/12/29 01:06:41 oTkrRb3c
「美しい未来」
幼いころ確かにそこに在った
とても大きな湖をまた見たい。
音も波もないとても静かで
ただやさしい光の逃げ場。
ここにある世界がただ
草花が咲いて枯れ、
動物が生きて死に、
土に還って、また繰り返す
そんなものだとしたら、
なぜ人は憎しみを覚えたのか
なぜ人は争いを知ったのだろうか。
波は荒れ果て、音は鳴り響き
それを消してしまおうと
僕は湖を凍らせていた。
気づくと足はとても冷たかった。
人は人を憎むことをやめない
人は争いを捨てることは無い。
僕はここへ沈んでいこう。
荷物も靴も置き捨てて
誰にも覗かれることは無い
小さな窓の様な深みの奥へと。