09/12/26 10:26:22 UaB1F3ak
「涙じゃない」
長かった呟き(つぶやき)を溶かして
雨が溜まった溝に棄てたなら
水面が音を立て激しく破裂した
分裂を繰り返し切り刻まれたそれが
冷たい風の中を飛んでいき
暗闇を走る自動車のライトがそれを照らせば
反射しまばゆい瞬きをする。
ひかれそうになる、
ひかれそうになる
でも、轢かれてはいない
そのあざやかさを
手にすることも
見つめ続けることも出来ない
しかし、それはノートの中で息を潜めて
ぱちん!と弾けるのを待ち続ける
あと、何回だけ呼吸ができるだろう
震えているのは何度目か
分からなさに押されてか
目から水が垂れてきて
大きく泣けない夜を
またひとつ、乗り越えた。