09/06/21 21:02:16 49yg6Lyc
おれは t e n s a i だった。
その昔。
頭の中に、トンネルがあって
青色のパイプラインがあった。
通行料は千円で
4トントラックがいろんなアイディアをつめて
パイプラインから出てきた。
アイディアがほいほいと飛び出してきて、
おれは愉快だった。
かき氷のようにスコップでほじくり返していったら、
だんだんだんだんと、アイディアはなくなっていった。
ブルーハワイのソースをかけてくったが、
不安ばかりが増していった。
走り出したくて、
頭にドリルをつきさした。
歯医者を我慢するような気持ちで
やっとまた穴をひとつあけた。
そしたらあたまから水がとまらなくなった。
溶けだしたアイディアが、南極のように海にながれ出た。
すべてがおわった後、
まるで食べ終わったスイカのように
おれは軽い頭をふらふらさせた。
もう、頭の重さで首がつかれることはないけれど
深夜のパイプラインは静かだった。