09/06/21 04:21:02 9KwqhZcI
道草
足の悪い人は大変な不満を持っているのです
崖を登ることも出来ず
しかし水平な地面では
杖を突いて歩くことが出来る
高さを失った視界という新たな世界が開け
何を見て何を想像するか
足かせは濾過装置として働き
気の狂った人は哀れまれるべきでしょうか
新しい目を手に入れたのか
心の働きは分からないから
自分の世話を見ることさえ出来れば
受け身であるか積極的に働けるか
自らをかき乱す邪魔な羽虫の群れのように
あとからあとからついてくる脳に響く足音
休息をいつとるかという問題がある
効率だけを求めることのむなしさはよく分かっているつもり
緑の下草の間にタンポポが踏まれてあったから
僕は杖を脇に置いてそっと花をなでてやった
仲間を見つけたんだとても嬉しい