09/06/20 11:54:42 VE40vU3n
『優等生』
どこで覚えたのか知らないが
俺のノートはすこぶる解り易いらしく
右斜めに傾いたくせ字も愛嬌ってことで
テスト前に貸してくれと頼まれることが多い
どこで覚えたのか知らないが
俺の中を走る血液はクールな奴らしく
感情を昂ぶらせてもメリットは無いと言い
それでいて輪の中で手を叩いて笑うことも出来る
下から数えれば一位だと言うお前を
馬鹿な奴だと笑ってはいるが
少し羨ましくも思っている
言葉より先に手が出るお前を
馬鹿な奴だと笑ってはいるが
少し羨ましくも思っている
そんなお前にも俺にもちゃんと明日があって
俺は入学祝いにもらった黒い革靴で
真っ直ぐに伸びた白線を気にしながら歩く
お前は黒ずんだナイキのエアフォースで
朝露に濡れた雑草を踏みながら歩く
そんなお前にも俺にもちゃんと明日があって
俺はきっとお前の行けない場所へ行くだろう
その先が明るいとは限らないが
お前はきっと俺の行かない場所へ行くだろう
その先が暗いとも限らないが