09/06/20 01:02:37 VE40vU3n
『夏休み』
誰かが大事に育てた豚の脚を
人差し指と親指で摘まんで
それは汚い物を摘まむ時の仕草で
苦々しい顔をして口に運ぶ
そんな深夜のテレビ番組を
笑って見ている人がいて
僕の隣にもその人がいて
僕も合わせて笑っている
太宰を読んでもよくわからない
日記は毎日書いている
自由研究のテーマは決まらない
日に焼けた背に地図ができる
誰かが盗んで走っただろうバイクが
シートの黄色いスポンジを見せて
それは哀愁を誘うような姿で
家の前に乗り捨てられている
そんなものに花を手向けるような
気味の悪い真似はしないが
人に聞こえないくらいの声で
毎朝なむなむと呟いている
かぶとむしには興味はない
金魚は4匹だけまだ泳いでいる
ひまわりが枯れて種が残る
すいかの種を庭に埋めた