09/05/15 14:54:07 eUZQPFdC
たくさん猫が寝そべっていた 君は猫に語りかけた
そういう時間とそういう君が好きだった
臆病な君 弱気な君 ちょっと自分に自信がなくて
長い髪と眼鏡ごしに時折見せる強い眼差し 変な鼻歌
真正面からぶつかって回避しない不器用さ
なんで迷ったの 僕はあの日からずっと君が好きだよ
君の前で泣かなかった
明け方 君と重なる時間はもうないんだって 涙がとまらなくなっちゃったよ
今日が雨で良かったよ
もしも 爽やかな初夏だったら
僕らのもしも を探し続けて 出てこられなくなってしまう
僕ら なんてもうないのに
僕らが重ねた時間は それぞれで持ち合って
君と二人で 取り出しあって いとおしむこともできない
あの時間 たくさんの共有した時間
僕は僕の中で完結していくんだろう
君も君の中で完結していくんだろう
いつか君は僕を忘れる 僕も君を忘れる
二人で笑いあって会えるといいねって 大人ぶって言ってみたけど
そんなの嘘だった
忘れなくても 忘れても 君と重なる時間がないなら一緒なんだ
君がいない ただ君がここにいない 君がいない
いつかの自分は今じゃない
頭は理解しているのに 心が追い付かない
君の幸せを願っている だから離れるって決めたのに
欲しいものは欲しいって子どもに還らなかったのに
僕の中で 泣きじゃくる子どもがまだ
迷子になって泣き続けている
君を探している