09/05/10 19:11:57 3qJ0oDYG
「宇宙遊泳」
目が覚めたら僕は、ひとりぼっちだったから寂しくてわんわん泣いたよ。
涙の海が、足元をすくって高い波にのまれてしまったんだ。
…でもちっとも苦しくない。
おかしいな?って恐る恐るまぶたを開けると、やっぱりそこは海の中。
青に黄色に虹色、クレヨンの色。
大きな魚から小さな小さな魚までたくさん泳いでいる。
目の前を泳ぐのは…たい焼き君だ!お腹が空いた僕は手を伸ばす。
びっくりしたたい焼き君が、空へダイブ……!!!
僕の体は無重力状態
大空をふわふわ。
あれはお友達の飼ってるメダカ、グッピーも空を游いでいる。
たい焼き君も当たり前のように大空を游ぎ、時々星の欠片を餌にぱくっと食べた。
僕はなんだか楽しくなって、明るい星を目指して游いだよ。
その星は月だった。
噂通りうさぎの家族が住んでいて、
うさぎパパとママがお餅をついてごちそうしてくれたよ。
お腹はいっぱいになったけど、なんだか急にお家が恋しくなった。
「僕、パパとママの所へ帰りたい!」
そう叫んだ瞬間、
ものすごい勢いで僕の手足あたま胴体は、
ブラックホールに吸い込まれていった。
……長い長い夢を見る……
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」