君のセンス5段階+αで評価するよ{vo.82}at POEM
君のセンス5段階+αで評価するよ{vo.82} - 暇つぶし2ch442:名前はいらない
09/05/09 22:55:30 wmyiQ+J+
カラスの日

人生の
豊かさは何処にあるかと考えて
忘れられない思い出にあると思った
何故なら
最期に幾つ
よく記憶された残像があるかが
自分だけの特別な
豊かさだと思ったから
だから今日思い出を作るため
何かやろうと考えた
それで、なんとなく
カラスと触れ合ってみることにした
いつも目の端にかけて
通り過ぎるだけの存在だったカラス
絶対目を合わせないカラス
敢えて触れ合ってみたら
きっと忘れられない思い出になる

朝十時に
意気揚々と家を出る
いざ辺りを見渡すと
なかなか見当たらない
いたと思っても
電信柱の上にいちゃ
歩み寄ることができない

歩き回ったらお腹がすいて
お弁当を買って公園で食べていたら
後ろから羽ばたく音
カラスだった
ベンチに座ってお弁当を食べる僕の
背後に張られているフェンスの上
2メートル程離れて
鋭い足で器用に立っている
目は真っ直ぐを向いていて
僕の方に向いてくれない
僕がお弁当を食べるそぶりをすると
ぴょんぴょんと二歩近づき
カラスの方へ顔を向けると
また二歩離れる かわいらしい
地面にから揚げを投げたら
小さく翼をばたつかせて
から揚げを無邪気につついていた
それをたいらげると
向けていた背を回転させて
僕に視線を合わせてきた
クリクリの
つぶらな瞳がかわいらしい
数秒間見つめ合って
嬉しくなった僕は
思わず手を差し伸べた
そしたらカラスは驚いて
森野の中へ飛んでいってしまった
それからもう戻らなかった
残念だった
だけどカラスと見つめ合った
あの数秒間は
僕は一生忘れない


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