09/05/09 21:13:08 hFT1J419
「女が欲しい」
すれ違う女たちに かつての恋人の
面影を重ねている
つい目を奪われ 石につまづいて転んだ
赤くなった膝よりも
冷たい視線に刺されたこの胸の奥が痛むよ
触れられぬ心 歯痒くて
通り過ぎてゆく女たちは
醜く顔をゆがめ 笑う
ゲラゲラと下品な声で
違う、どこか違う、いやすべて違う
見慣れた扉の前
ふと口にする「ただいま」
返事はいない 誰もいないから
かつての暖かい部屋は氷のように
ただそこに佇んでいる
この傷はいつ治るだろうか
愛を注ぐに等しい人が表れるまで
剥き出しの傷口からは
とめどなく雫こぼれおちるだけで