09/05/08 14:13:23 DRKOv/tr
「水の部屋」
もう思い出すこともあんまりないんだけど
眠れない長い夜は
あのマンションの部屋の天井の蝋燭の炎で出来た星の灯を思い出すの
あの夜の日
あの天井を見ながら話した会話を思い出したら泣いてしまうの
あの子には星に見えなかった蝋燭の灯で出来た星
私には天の川のように見えてた
あの子に「なぁ、天井みて、星がいっぱいある」と教えたら
「星に見えるの?ごめん俺目が悪いから見えないんだ」と
言い空中で指で星を描いた
私はその瞬間あまりにも愛しくなって言葉を失って
黙り込んでしまい終に次の言葉を見つけ出せないまま
眠ってしまいそして朝になった
朝になれば星を作っていた蝋燭の炎は消えていて
ただ明るい日差しの部屋に戻っていた
もう二度と行く事のない部屋の思い出
あの日の炎遠く揺れる