09/05/02 02:42:46 hz0ln5tY
星
フラミンゴの背中に乗って飛んだ。空へ空へもっと高く! カスみたいな僕の催促に、フラミンゴは従順にうなずいた。そして僕は星に届く手前でフラミンゴの羽をもぎとった。
のばした手は瞬く星に焼かれて、ああ!羽だけがかがやいてかがやいてフラミンゴの嘴がニヤリとしたのを火だるまになりながら確認した。
正直ぶっころしてーと思った。
いちばんどうかしていたのは星だと、なにか憎めるものを探していた僕は、身体じゅうに包帯を巻いてから空を見上げた。
どうか僕の背中に羽を生やしてくれ、どうか僕に飛行機をつくる技術や経済的な余裕を与えてくれ、どうかお願いだ
だけどけっしてそれらを叶えてくれない星に吠えた。
フラミンゴは僕の背後で嘴のない顔のまま苦笑いして、僕の祈りが終わるのを待っていた。フラミンゴの背中には羽が再生していた。
「もう帰りましょうよお。いつまでもぐちぐち言ってたって情けないだけっすよ」
呆れたフラミンゴの目には軽蔑色した宝石が埋まっていた。僕はそれももぎとった。
血まみれになったフラミンゴが空に向かって一声鳴くと、僕は落ちてきた星に焼かれた。またしても火だるまだ。
火傷をあぶられるのが死ぬほど痛いことを知った。
ついにブチキレた僕とフラミンゴは、甲高い声で泣きながら骨を折り合った。そうしているうちに関節がうまい具合にはまって、ひとつになった。
星よ!
正直、ぶっ殺してぇよ!