09/05/01 00:55:16 fPMlpsaZ
「美少年と快楽主義者」
かれの手よりも おおきなオレの手で
エスコートするように そのかたく骨ばった
小さな手をとって
かよわく息づく 白い茎である項(うなじ)に
優しい クチビルを這わせるオレ―
美少年の 青くさい髪の香り
色気にとぼしい ツヤのある白い肌
天然の薔薇(そうび)の頬と くちびる
無垢な 茶水晶の瞳
ああ オレは女の享楽的な性(さが)を
これまでに 十分すぎるほど味わってきた。
アイラインを曳いた 禍禍しい好意の誘いの目も
紅のルージュを塗った 毒毒しい 唇も
湯上がりの湿った 髪の毛の臭いリンスの香りや
女の打算的な哲学
そして、オレのナメクジの舌を這わせることも―
ああ オレは彼を さらに美しいものへと変身させよう。
漆黒のゴシックロリータ風のドレスに
大きな赤い薔薇の髪飾り
それらを調達して
あの華奢な純白のからだを飾り立て
親の遺産から受け継いだ
この時代おくれの貴族的な部屋のなかで
かれのウィスパーボイスを永遠に聴こう。