09/04/29 02:58:04 U7GtzYTg
「古い腕時計」
腕時計を眺めながら
物思いにふける
椅子の手すりを
指でなぞりながら
耳障りな秒針の音を聞く
悲しみのずっと先には
ただの真っ白な壁の様な
景色が広がっているだけ
触れられない孤独な空白が
潜んでいるだけだったさ。
雨にぬれた子犬のように
純粋だったのは昔の話で
涙はたくさん虹を作ったけど
涙が枯れ果てたそのときに
空を見るのはもうやめたよ。
腕に巻いていた古い腕時計
アスファルトに叩きつけたら
時間がどこかへ消え去って
嘘も真実も現実も空想も
みんな同じだと思った。
腕に巻いていた古い腕時計
アスファルトに叩きつけたら
触れられない孤独な空白が
潜んでいるだけだったさ。