~~詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 21th edition ~~at POEM
~~詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 21th edition ~~ - 暇つぶし2ch52:二月十八日(了) ◆l2g71HROcg
09/03/07 16:09:03 0OXD0Gpe

その看板に気づいた瞬間から私はその建物への興味を強くしはじめた
もやしみたいに白くてひょろ長い人工栽培のエノキダケが目に浮かんだ
暗く冷たい工場の中で一筋の光を求めてにょろにょろと伸びるエノキダケの群れが目に浮かんだ
しかしその工場内に漂う音は想像ができなかった
何よりそこにどれだけの数のエノキダケたちが
どんな入れ物に入れられてどんな風に並んでいるかについては
私は勝手な想像をするしかなかった
そしてそんなひっそりとした工場の中で作られているのは
本当にエノキダケだけなのか

犬が吠えかけて止めた
私は我に返った

静かに澄み渡った晴れの日だった
もちろん虫の声もなく鳥の声もない
ドアミラーを覗くとクリーニング屋の入口が見えた
その内側は冬眠するための穴のように暗かった
穴を潜って白くてひょろ長い妻が出て来るのが見えた

               (了)

53:名前はいらない
09/03/07 16:09:53 0OXD0Gpe
>>50
失礼しました。

54:名前はいらない
09/03/07 16:16:26 9WAP1Xmh
>>49
連投途中に入れてしまったorz
すみませんでした。

55:名前はいらない
09/03/07 16:35:39 dIZ5sRYk
しかも2レスもwww

56:冬のさらば
09/03/08 03:29:36 IC6Be29S
晝 英雄が讃えられていた
冷たい風の吹きすさぶ 色の無い広場で
彼が兵士 俳優 プロ野球選手 ノーベル賞受賞者エトセトラのうちいずれであるかは今 本質には関係ない
重要なのが
俺は知っているが人は知らないのが
英雄が昔に 人を殺したことだ

その湖水で人が死んだのだ
それでたくさん舟が出ていたのだ
女が湖水に沈められたのだ
この悲哀と無念を 誰が知っているのか
やがて春が来て
茂る藻草の中に 死体は隠れてしまったのだ

長い間に罪の意識なんかも忘れてしまって
英雄
扱いされて喜んでいる 殺人者
だけどもう
いいんじゃないでしょうか そんなことは
誰か英雄が人を殺したこと
誰か罪人が人を愛したこと
いずれもまた本筋から外れて すべて背景に過ぎないこと
ぼくらはその広場にいるが
英雄はその実何も関係しない
ましてや罪人は関係しない
ぼくと君とのお別れだ
愛していたとだけ言って 手を振ったのがスマートだった

ぼくと君とのお別れだ
愛していたとだけ言って 手を振ったのがスマートだった

57:冬のさらば ◆k/cWhgJLqA
09/03/08 03:30:45 IC6Be29S
>>56
トリップ忘れてた

58:せめてチャンプにさせたってください(涙) ◆NPSMUpQqqo
09/03/08 10:05:33 HM/JL2oE
バレンタインの日
職場で女性スタッフが 義理チョコ配ってた
それでも俺はワクワクしてたんや
本気のチョコなんか もらったことあらへん
せやけど俺の分の義理チョコ もらえんかった
やっぱ暗いし 人づきあい悪いからな

コンビニのレジ
かわいいバイトの女の子
愛想がよくって笑顔も素敵
レジの順番並んでる間見とれてた
それが 俺の番まわってきたら 露骨に無表情
おつり渡す手も俺の手に触れんように渡したから
おつりこぼれて 涙と一緒に床に転がった

クリスマスの夜
あまりに寂しいから
同じくモテない仲間の友人と遊ぼうと  
電話かけると
「ごめん、実はある女の子と約束あって」
「へえ、よかったやん」
受話器置いた後 しばらく顔あげられんかった
よりによってこんな日に
ラーメンでも作ろうとキッチンに行く途中
机の角に足の小指ぶつけて 生爪はがした
よりによってこんな日に

忘れよう 忘れよう
きっといつかええことあるわ
きっとついてへんだけ きっと

やっぱ なんでやねん
やっぱ なんでやねん
くやしいけどあかん
あれはよう忘れられん
やっぱ なんでやねん
やっぱ なんでやねん
きつく抱いてよ 今夜は

59:名前はいらない
09/03/08 11:06:29 u/4S2TGP
今夜締め切り揚げ

60:僕の冬 ◆Sq93NVnP3s
09/03/08 16:32:28 JOebEuVA

日本に四季が有るように
僕の心にも冬が有る
それは悲しみや抑鬱よりも
複雑な何かを象徴している

或る時
僕の心を突然に横切って行った
噛み砕いた角砂糖のようにほの甘く
この世の裏の犯罪のように生臭い
季節外れの春
あるいは秋

そのあとに
ふっと顔をあげてみたら歴然と有ったのが
冬 冬 僕の冬
雪の嵐だ
雪の嵐が巻き起こり
家々はその中に身を伏せてうずもれている
僕の精神も家の中に凍えながら茫然と佇む

この恐ろしい夜にも
そっと窓の雪をはたいて
外を覗いてみると

あの吹雪が牙を振い爪を立て
しかし
時がたってひとしきり去ったあとを
気付かれないように覗いてみると

そこに静かな青い雪明かりが有るだろう
僕はそれを眺める
これこそが冬の感動

日本に四季が有るように
人の心に冬は有る
単純無意味な色ではなくて
冬には冬の感動が有る

61:名前はいらない
09/03/08 17:47:06 5UdnRVpZ
締め切り、今日の24時までですぜ。旦那!

現在までの投稿作品
>>37-38 :冬に寄す ◆cOU/v./oVs
>>39 :完全犯罪入門編~日本の家庭から~ ◆eRRnIzmfi2
>>40 :冬に誕生日 ◆rTWq.XtVtg
>>41 :現代詩人の冬
>>42 :銀の朝 ◆958SDwdJd2
>>45-46 :ポエ子 ◆Tp/3j1AxoE  (←作者ばらし作品)
>>47 :霧 ◆e2zAoE/zkE
>>48 :くりかえす朝 ◆V7jhQtiHWo
>>49、52 :二月十八日 ◆l2g71HROcg (←割り込まれ作品)
>>50-51 :女神と雪娘の物語1、2 (←トリップなし作品、割り込み作品)
>>56 :冬のさらば ◆k/cWhgJLqA
>>58 :せめてチャンプにさせたってください(涙) ◆NPSMUpQqqo
>>60 :僕の冬 ◆Sq93NVnP3s

62:名前はいらない
09/03/08 17:50:06 5UdnRVpZ
>>41もトリップなしだったw

63:名前はいらない
09/03/08 21:00:31 f1/VebQ/
規制が始まってるから、投稿する人は早く投稿した方がいいお

64:スコッチブライト ◆FdbPaTx7hQ
09/03/08 23:48:15 KmjOr4cv
人間頭を使わなくなると
とっても意外なミスをしますね

赤面する
耳まで真っ赤に

エレベーターの「開」と「閉」を間違えて
知らぬ誰かを挟んでしまう
洗顔フォームで歯を磨き
しばらく勃ってそれに気付く
チャリンコの鍵を開けてもないのに
うんこらよいしょとスタートを切る
カナに変換する前に
ブラインドタッチでアルファベットを羅列する

日常茶飯事
あれやこれやと思い出せば
いくらでもこんなミスが羅列される
もちろん
いざその場に勃ったらまたミスをする

やっぱりあれだね
大学受験のこれをピークに
脳みそがどんどん腐っていくよね
今はもうスカスカなんじゃないかなあ

なになに冬っていうお題かと
ノートに下書きしようとしたら
「各」って堂々と書いてしまった

65:名前はいらない
09/03/09 00:04:40 qvDZQ9qx
締め切り かな

66:おしっこ ◆OPb3r6Vs1g
09/03/09 01:22:13 xf75N8u/
もう遅いので、sageでそ~っと・・・
審査結果(放尿)~

★2点
>>42 銀の朝
>>50-51 女神と雪娘の物語

★1点
>>39 完全犯罪入門編~日本の家庭から~
>>45-46 ポエ子
>>48 くりかえす朝
>>49,52 二月十八日

その他にも点をあげたい作品が何編かありましたが、
あげすぎると、審査での‘‘おしっこ’’の臭気が濃くなって、よくないと思うので、ご勘弁・・・

*******

コメント~

>>39 完全犯罪入門編~日本の家庭から~
ありきたりのオノマトペの羅列ですが、家の中の冬の風情を感じてしまいました。
途中で客観的なニュースの言葉が挟み込まれていることによって単調さを回避すると同時に、
一家庭の中の世界をクローズアップさせる効果を出しています。

>>42 銀の朝
う~ん、上手い。
自転車は優れたメタファーとして読めますね。大人の価値観から見れば価値の失われてしまったもの。しかし、子供には宝物にも匹敵するもの・・・
>産まれたばかりの子羊を祝福する遊牧民のように
とか、
>湯気立つそれぞれの心臓を鳴らしていた
とか、表現が手練れなのです。

67:おしっこ ◆OPb3r6Vs1g
09/03/09 01:26:29 xf75N8u/
>>45-46 ポエ子
語尾が適度に散らされているし、全体としてリズム感があります。
詩にとって、これは極めて大事なこと。
言葉の繰り出し方が上手い。

>>48 くりかえす朝
人称が何を指しているのか難しい作品です。
これは敢えてそうしている訳ですが、それ故にすべてがボンヤリとしていて、もう一つ明確なイメージなり意味が欲しかった。
二十日鼠は何かのメタファーとして読めますが、なぜ霜の降りた朝なのか、なにがレジ袋をかぶった幽霊なのか、私には分からなかった。でも引っかかるものがあります。

>>49,52 二月十八日
何かホラーがかってますね。
初めの方の箪笥の上の汚れは、普段見慣れぬ、見てはいけないものの象徴として出されている気がします。日常から抜け出す気配を感じましたが、最後、何か書き切れていない感じ(最後の一文は上手いなぁと思うのですが)。
エノキダケ・・・エノキだけ? いや、そんなはずはないw

>>50-51 女神と雪娘の物語
北欧神話(童話)のような感じですが、決して単なる抜粋のようでもなく、
言葉に無駄がなく、切れ味が良いです。

・・・おわり

68:名前はいらない
09/03/10 00:43:53 9qtvuI2k
審査期間あげ

69:名前はいらない
09/03/10 02:06:56 aQQBwAic BE:396518843-2BP(0)
はい、
>>45-46 に2点差し上げます。
かなりうまいんではないかと思います。外し方がやや定型ぽいというか
ガールポップの影響下的な臭みが強いというかそんな感じですが
実をいうとこの系統でもっとうまい(と私が思う)人を知っているので
点がつい辛くなっちゃうんですがまあ宮崎誉子的な語りから編み出される
本詩は確かに力量を感じます。
まあこのくらいの詩を読ませてもらうと私も何行かは長々と書かせて
いただけるのでありがたいです。

二月十八日もいいんですけど私にはオチだけうまいかなあといった感じ
だったのです。

70: ◆DAYJoBxkXc
09/03/10 02:15:47 aQQBwAic BE:132173322-2BP(0)
忘れてた。
トリだしとかないとうるさいからなあ。


71:名前はいらない
09/03/10 18:21:34 wsgXgL2V
あと一人、誰か点だけでも入れてくれ
じゃないと成立しねーぞ

72: ◆7LKbKuYyY.
09/03/10 19:27:43 MmY8iY28
>>40 1点
「ふゆにうまれたひとー」の部分の急ぎ感がほのぼのと
している。ラスト行は防護壁のようなものだろうか。

>>50-51 1点
出会って別れるという基本的な事柄に春や夏を作って
しまったばかりに冬が来て悲しいということを重ねた。
しかし「宝石の箱は」開けないわけにはいかないし
四季は巡るのである。

>>58 1点
バレンタイン、レジ、クリスマスそして生爪に関する
痛烈な事実を積み重ねたうえでブルースを解き放った。
等身大の自分を演出する関西弁のせいだけではないだ
ろう、リアルというか切実。


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