09/03/01 00:09:27 Qoj7mEcb
審査締切です
審査員の皆様お疲れ様でした
集計結果です
>>910-911 シナモン (>>912で補足修正) 6点
>>913 ビスケット行進曲 4点
>>915 二月の風 5点
>>923 白い恋人 (>>922を補足修正) 4点
>>927 「お」が抜けてます 6点
>>928 しかのさかだち (>>929で補足修正) 4点
>>934 ありがとうにさようなら 3点
>>941-942 仮死 8点
どなたか確認お願いします
この集計が正しいならば
チャンプは仮死
準チャンプはシナモンと「お」が抜けています
31:おしっこ ◆OPb3r6Vs1g
09/03/01 02:23:49 ld5XrRHR
>>30
それで良いです、絶対!
いや、たぶん・・・
いやいや・・・もしかしたら?
それでは、チャンプは、
>941-942 仮死 8点
準チャンプは、
>910-911 シナモン(>>912で補足修正) 6点
>927 「お」が抜けてます 6点
次点は、
>915 二月の風 5点
>913 ビスケット行進曲 4点
>923 白い恋人 (>>922を補足修正) 4点
>928 しかのさかだち (>>929で補足修正) 4点
>934 ありがとうにさようなら 3点
(以上、お題提出権順)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「仮死」の作者さん、おめでとうございます!
あなたはなんとなんと、
栄えある、伝統ある、インチキのない、mixiがmixしてない梁山泊のチャンピオンなのです!
(私の糖分の入った甘い‘‘おしっこ’’を掛けてあげた甲斐がありますた!)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
投稿してくださった皆さん、審査員をしてくださった皆さん、お疲れ様です。
それでは、
準チャンプの「シナモン」の作者さん、お題をよろぴく~☆
32:みたらしひかる ◆MUR11FWs5.
09/03/01 09:13:26 Qoj7mEcb BE:197304454-2BP(666)
>>1スレ立てありがとう
まとめサイト
1~42代目までのチャンプリンクへはここから
URLリンク(umaa.s19.xrea.com) (→詩板コテハン大辞典補完ページ)
2代目補完ページ
URLリンク(www.geocities.co.jp)
梁山泊スレ専用記録ページ3代目(全投稿作品)
URLリンク(www7.atwiki.jp)
これまだ張られていないので張っておきます
こんにちは
シナモンを書きました
準チャンプに選んでいただきありがとうございます
梁山泊では初めてこんなに点数をいただけて、うれしさでいっぱいです
僕がお題を出すとのことなので
次のお題は
「冬」
でお願いします
33:みたらしひかる ◆NPntL0c/ps
09/03/01 09:14:42 Qoj7mEcb BE:59191632-2BP(666)
一応いつものトリップも出しておきます
次戦も楽しみましょう
では
34:やさしいあくま#
09/03/01 12:23:51 nBNFvrjt
ビスケット行進曲かきました。
簡単ですみませんが、みなさん審査ありがとうございました。
みたらしさんおめでとう!
35:やさしいあくま ◆iFyWUNL7YQ
09/03/01 13:52:48 nBNFvrjt
トリこれでした
36:おしっこ ◆OPb3r6Vs1g
09/03/01 18:57:40 ld5XrRHR
はいはい、ここのところ暇と性欲を持て余してしていて、またまた出しゃばってしまう おしっこです!
それでは、今回のお題は「冬」に決まりますた!
みなさん、こぞって投稿してください。
☆3月8日(日)23時59秒? 24時00秒? が締め切りです。
37:冬に寄す ◆cOU/v./oVs
09/03/02 01:46:58 7WAStVuT
独り居のまま、一挙に、あまりにも早く出立してしまった冬よ
せめて、私の故郷の優しい記憶たちに、私を廻り合わせてくれ
そこで稲妻が終わり、傷を癒すための私の家が始まる冬
冬は忘却の階段に私の盲目の砂利を転がしてくれていた
冬よ、お前の中では、大地は白く静かに、太陽は遠く輝いている
夜の闇にいる貧しき者どもでさえ、お前の収穫の中で眠りにつく
手を霜焼けだらけにして遊ぶ、私の従兄弟たちの冬よ
お前の冷たい丘の斜面で無傷でいられる者などあろうか
うつろな魂のぼろぼろになった切れ端と不信
思い出される夏の幸福、秋の不幸を映し出す、白樺の木肌よ
38:冬に寄す ◆cOU/v./oVs
09/03/02 01:48:56 7WAStVuT
いかれた者たちの、熱にうかされた者たちの、キリギリスたちの
嘘つきどもとグルになった太陽でさえ物乞いする冬
私を貶めた者、私を振り捨てた女、私から去っていった者たちの
私を苛む想念に、冷徹とした朝靄を送り届けてくれる冬よ
来たるべき春への敬意のための冬、永遠の循環に送り戻すための冬よ
そこでは星々が、夏には拒んだ光年の輝きをもたらしてくれる
伝達される力は、狭い隘路を通って、雪の小径をたどる冬
大地の底、植物の奥深くに侵入し、新しい春の嵐を告げる冬よ
革新と破壊と忘却に熱中する世界の中で、決して壊されない心を持つ冬よ
私たちを生かしたまま、地平のミツバチの友のままでいさせてくれ
・・・ルネ・シャールに捧ぐ
39:完全犯罪入門編~日本の家庭から~ ◆eRRnIzmfi2
09/03/03 02:49:09 dt24Cl9n
おこた 足 ぬっくぬく
みかん 掌 まっ黄っ黄
お外で 雪が ちーらちら
ガス代 高いと 母キレる
ストーブ 炎が ちーりちり
やかんの 湯気が ゆーらゆら
出窓の 結露が つるつるり
今夜も お鍋で 父嘆く
東海上で急速に発達した低気圧の影響で西高東低
等圧線の込み合った気圧配置となり
北から強い寒気が南下してくるため
今夜から明日朝にかけて平野部でも積雪の恐れがあるでしょう
CM中に すーやすや
おこたの中で すーやすや
父母十字に すーやすや
ニヤリと 僕が スイッチOFF
古い 時計が 一怒鳴り
寒いと 母が 二怒鳴り
父は 知らぬと 三怒鳴り
僕は ぐっすり 午前4時
40:冬に誕生日 ◆rTWq.XtVtg
09/03/03 11:57:10 NPJ+pxQA
はっぴばーすでー
ふーゆー
はっぴばーすでー
ふーゆー
はっぴばーすでー であ ふゆにうまれたひとー
はっぴばーすでー
ふーゆー
さむいねー
41:現代詩人の冬
09/03/03 22:59:57 Qqwp2Pb0
吐く息が白くなるのを思う時、
空気が冷たく鋭くなるのを思う時、
霜柱を踏みしめる感触を思う時、
軒先に氷柱が垂れるのを思う時、
冬だ、冬が来たのだ、と
詩人の感動を味わう。
愈々冬になる。
さて現実に
肺が凍えながら冬の粒子を吐き出し、
鋭利な風が皮膚を突き刺し、
敗れた靴底から解けた氷が滲みこみ、
部屋の中まで冬は追ってくる。
私は一つくしゃみをする。
なるほど、春が、待ち遠しい。
42:銀の朝 ◆958SDwdJd2
09/03/04 04:34:08 G3aXNpKJ
霜柱が立ったばかりの日曜日
子供達が田んぼで自転車を見つけたと騒いでいた
葦の繁茂する休耕地の原っぱを引きずって持ってきたのは去年盗まれた妹の自転車だった
もう乗れないね
と私が言うと
まだ探してると思うよ
と子供達は口々に言った
サドルを破りスポークを折った泥濘の湿り気に気付いてしまったからには
もうこの自転車に乗ることはできない
もうすぐ氷が張るからね
その前に見つかってよかったね
そう言って子供達はいつまでも自転車から離れない
産まれたばかりの子羊を祝福する遊牧民のように
錆び汚れた妹の自転車に寄り集まり
明日にも凍りつこうとする大地の上で
湯気立つそれぞれの心臓を鳴らしていた
43:名前はいらない
09/03/04 04:39:08 rGBlABqf
全然救われないね 悪いことしかしてないからね
44:ポエム田ポエ子
09/03/05 14:26:20 gz16oXiJ
↑
つぶやいてるヒマがあったら顔出してケツまくれよ優しく舐めてやっから
45:ポエ子 ◆Tp/3j1AxoE
09/03/06 08:53:15 5xKr3qpp
窓の外のすぐそこの靴屋の看板が白いなー
と思ったら凍ってるんだねアレ
おーこわこわ
こわいを通り越してホラーだね
背筋とか走りそう
昨日降ったのは雨だったから雪の朝にはならないんだ
期待してたんだけどなーまっさらな雪景色
何時まで誰の足跡もつかずにまっさらか見てたかった
ていうかたぶんあたしよりねぼすけなひとなんてそういないんだろうけどねー
あ
今、読むのやめようと思ったでしょ
ダメ、今やめちゃ
て、あたし誰に向かってこの詩?書いてんだろねー
意味わかんない
お茶でも飲もう
そっか
ホラーは別にこわいを通り越さないんだったっけ
あぁ火燵あつっ
しかしアレだねー
妖精って実在(い{ママ})るんかねー
まーどーでもいーけど
今年は寒かったんだってね
TVの5分ニュースで言ってたけど
ダイヤモンドダストとか日本各地で見られたらしいよ
星闘士星矢に出て来る氷河の必殺技だよねソレ
あたしも見たかったなー
TVじゃ映してくれなかったもん
なんか理化の授業で見たことあるような雪の決勝(ママ)は映してたし
キレイ系だなって思える冬ソナみたいな景色は見たけど
あたしどっちかっていうとカッコイイ系のが好きなんだよね
あと根性系?と
まぁ正直エロいのは好きだね
そうそうもうすぐエロさ爆発の季節がやって来るらしいね
まーあたしの頭ん中は一年中煩悩大回転って感じなんだけど
それにしてもやっぱ凍てつくホラーが解けて身体もやわらぐわけ
つくつくぼうしとかも出て来るし
花粉も飛びまくってこの窓とか汚らしいことになるだろうし
窓の下を歩く生命体も増えるだろうしね
ちょっとだけ楽しみかも
ちょっとだけね
あたしにはやっぱ関係ないことだからね
またやっちゃった
つくつくぼうしは蝉って種類の昆虫
スギナの精器で土の中からもっこり出て来るやつはつくし
覚えてたはずなのにね
やっぱ見たことも触ったこともないとすぐ間違えるね
ていうか身につかないね
ちょっとヒーター弱いかな
二重窓なのにね
すっげーコールドパワーだ
やっぱ氷河の必殺技だからだね
46:ポエ子(2) ◆Tp/3j1AxoE
09/03/06 11:56:45 5xKr3qpp
あそこの水溜まりが鋭く光ってるのはなんでかな
あれって潜れたりするんだろうか
朝焼けの鏡の中に立つ影は?
白雪姫かな
それじゃプリンセス系ね
あたしたぶんそんなお洒落な見た目じゃないし
氷の町だね
何もかもが凍ってる
かき氷食べよっと
あーもうレモンないんだ
イチゴでいっかぁ飽きたけど
また配達頼まないと飢え死にするかもね
どーでもいいやぁ
うん
どーでもいい
あたしに気づいてくれるひとなんて誰もいなかったし
あたしを必要だと言ってくれるひとなんているわけないし
あたしは一方的にだらだら書いてるだけだし
きっともっといっぱいしかも神経を張り巡らせて言葉を選んで書いても伝わらないんだし
長いとかつまらないとかその考え方は人間として間違ってるだとか
唐突なものを描いたら唐突だと否定されたり
汚いあたしの内蔵の中の虫を描いたらもっと綺麗なものが見たいと文句を言われたり
あーあーあ
またまたやっちゃったよあーあ
どーでもいいなんて思ってないのバレバレだね、あたし
外でも歩って(ママ)みよっかな
もうすぐあたしは終わるから
穴の中で眠る前にちょっとだけ
感動的なものが何もなかった終わりに
星でも見つめてみよう
小さな星だよ
昼間の星
冬のことはみんな知ってるだろうけど
あたしが冬だってことは誰も知らないから
安心して歩けるかな
安心して歩けるよね
犬とかには気をつけないといけない
やつらこの時期でも元気だから
火燵も消さず
ヒーターも消さず
部屋の明かりは全開なままで
さよならしてみようかな
やっぱやめた
行くとこないんだもん
一生ここにいるから
誰か捜しに来てね
あたしは冬っち
ただの冬っち (了)
47:霧 ◆e2zAoE/zkE
09/03/06 22:31:27 WViJU/MN
分け入って分け入って霧の中
分け入って分け入って霧の中
私の前には霧しかなく
私の後ろにも霧しかない
見えるのは手の触れる距離のなか
進もう
流れる粒の一つ一つを掻き分けて
飲み込まれないように
さすれば
この道の先に
僕はたどり着ける
分け入って分け入って
48:くりかえす朝 ◆V7jhQtiHWo
09/03/07 08:04:59 +y+Dfkrb
レジ袋をかぶった幽霊が見える いかにもおっさん臭い背広姿の
きまって霜の降りた朝である
あなたはさっぱり知らん顔で ただ嗅覚と体温を頼りに
いつでもわたしの足のあいだを探りあて
ほんとにあたたかな場所をよく知ってる
てのひらのなかでは
二十日鼠の赤ん坊が ぐにゃぐにゃと動き
動き
わたしたちの跡はもつれて
祖母のいない部屋の埃を 黒く乱している
露吹いた窓ガラスと 体内の匂いのする朝のあなたの吐息ごしに
幽霊が見える
それをこっそり見あげながら わたしは二十日鼠をなぶっている
きまって霜の降りた朝である
49:二月十八日 ◆l2g71HROcg
09/03/07 16:05:19 0OXD0Gpe
クリーニング屋の向かいにやたらと白い工場のようなものがある
何だろうといつも思いながら看板を確かめることはしなかった
何かそれは隔離病棟のようにこの世の隅にあって
触れるはおろか意識に置いてもいけないもののように感じられた
億劫だった部屋の掃除もようやく寒さが緩みはじめて
今日は長年のリクエストに応えて一丁高いところでも拭いてやるかと
私は久々に箪笥よりも高く立ち上がった
毎日のように妻が拭いてくれていた真白な箪笥の上が
廃ビルの屋上みたいに汚れきっているのを見て茫然としていると
クリーニング屋まで乗せて行ってくれと妻が呼んだ
妻はそのクリーニング屋を自分のクローゼットとして使っていて
思い立っては私に運転手を頼み
ビニールに包まれた衣服の森の奥へと分け入って行く
作業場の泉を抜けると四方に我が家の見慣れた服たちが出現する
ぼちぼち暖かい日も多くなって来たねと粉噴き顔の従業員に言葉を送り
春物を掻き集めて栗鼠のような動きでレジへ持って出て行く
その日は妻が一人でクリーニング屋へ入って行ったので
バックで停めた車の中で私はヒマだった
いつもなら森の奥へ二人で分け入って
どんな服がそこにあったかを探るのが楽しみだったのだが
その日は子供の冬着を仕舞いに行っただけだったので
仕方なく向かいの建物を観察してヒマを潰した
わくわくするくらい大きいわけでもないうえ特に意匠を凝らしてあるわけでもない
普通でつまらないばかりか人の匂いのしない
不吉な印象すら受ける工場だ
ただひとつ普通でないのがやたらと白いことだった
工場らしく薄汚れているのに白粉(おしろい)を塗ったようなその色は
私にいつも何かの答を詰め寄って来るようで嫌悪さえ感じるのだった
ふと入口に掲げられている大きな看板が目に入った
「エノキダケ栽培工場」と書かれてあった
50:女神と雪娘の物語1
09/03/07 16:05:58 9WAP1Xmh
冬の始まりを物語ろう、
かの女神アルハスの物語を
神アルハスは長い大陸におわす神で、美しい目の女神です
時折速く、人の世を走っては、白い吐息を零される、
犬橇で森を駆ける時、
野花が犬橇を揺らす時
人の世はまだ寒く、
獣は氷でできていた、
熊と狼はつららで創られ、兎とリスは薄氷で創られた
アルハスは森の娘と出会った
器量よしの娘で、身体は雪で出来ていた
森の娘の手は白く、
乳房は甘い味わいがある
犬橇が止まり、アルハスは娘の前に立つ
娘との間に木が見える 風が吹いて枝を揺らすと、アルハスの頬に氷が触れる
神の頬は温かい 氷はするりと解け落ち、唇の先を水に濡らした
正しき心のアルハス、何か言おうと唇が開くが、
吐息だけを零して閉じた
宝石の箱は閉じている時が美しく、
海の嵐は沈黙の時こそ美しい
氷の枝を退け近づくと、娘がそっと脇へ退く
雪の娘は思い、動いた 正しき心のアルハスを、前に進ませなくてはと
立ち阻む岩と思われたなら、雪の娘の心は痛む
髪がたなびき麦穂を真似た
正しい心のアルハスの 黄金の目が動き娘を見た
娘を見つめ驚かせ 驚く娘を手に抱いた
抱いた雪の冷たさを感じ取り
思いが胸を焼き刺した
「雪の娘よ、この冬の国で何を望もうか、
犬橇で走ることに飽いたなら、
震える寒さに飽いたなら
雪の娘よ、人を好む気持ちは素早く走り、
友情は火のように温かい
もしも人がパンを食べ、ミルクを飲むその傍らに
友人が共にいるのなら もしも人が木を組み上げて、柱を立てるその場所に
友人が共に立つのなら
人は何を食べるのか、人は何処に住み暮らすのか」
黄金の目の女神、アルハスはこのように語った
黄金の目を瞬かせ 雪の娘を見つめれば
雪の娘、語られたものは、黄金の目を見返して
次のように答え届けた
51:女神と雪娘の物語2
09/03/07 16:07:01 9WAP1Xmh
パンとミルクがそばにあり、友人が共にいるのなら、
分かち合うものを人は食べ、育ちゆくものを人は飲む
人が建てた家のそば、友人が共にいるのなら、
友人の住む家に人は住み、揺るぎぬ柱を二人に立てる
正しい心のアルハス、
私はそれを望むでしょう、
もしもあなたが犬橇で走ることに飽いたなら、
震える寒さに飽いたなら」
こうして二人は巡り会い パンとミルクを二人で食べた
家と住処を分かち合った
二人が粉をこねるたび、獣は肉を身にまとい
ミルクは白い野花となって、土の上を流れていった
黄金の目のアルハスが眠る時、
雪の娘は近づいて、白い手に寝息をすくいあげると、
小さな光が手に乗った
それは空の太陽で、小さいが広いものだった
始めに太陽は夏を呼び、次に秋を呼び出した、
春の光を呼び寄せた時、雪の娘は倒れ伏す
正しい心のアルハスは、雪の娘を橇に乗せ、風となって走り出す
使われない橇は
夏についた時に見る 娘が戻りはしないかと
けれど黄金の目のアルハスの、親しい友なる雪の娘は
蝉の激しい声に打たれ、戻ろうとはしていない
秋についた時に見る 娘が戻りはしないかと
けれど黄金の目のアルハスの、親しい友なる雪の娘は
秋の紅葉の炎に焼かれ 戻ろうとはしていない
娘の白い手は消えた
雪の娘は溶けて消え、そして二度と戻ってこない
三日の間アルハスは泣き、
やがて黄金の目が空を見上げると、太陽の空を半分奪った
空に夜空が生まれた日から
空にはアルハスが昇っている
そしてアルハスの悲しみは、今も氷の季節呼ぶ
これが冬の始まりで
女神アルハスの物語。
52:二月十八日(了) ◆l2g71HROcg
09/03/07 16:09:03 0OXD0Gpe
その看板に気づいた瞬間から私はその建物への興味を強くしはじめた
もやしみたいに白くてひょろ長い人工栽培のエノキダケが目に浮かんだ
暗く冷たい工場の中で一筋の光を求めてにょろにょろと伸びるエノキダケの群れが目に浮かんだ
しかしその工場内に漂う音は想像ができなかった
何よりそこにどれだけの数のエノキダケたちが
どんな入れ物に入れられてどんな風に並んでいるかについては
私は勝手な想像をするしかなかった
そしてそんなひっそりとした工場の中で作られているのは
本当にエノキダケだけなのか
犬が吠えかけて止めた
私は我に返った
静かに澄み渡った晴れの日だった
もちろん虫の声もなく鳥の声もない
ドアミラーを覗くとクリーニング屋の入口が見えた
その内側は冬眠するための穴のように暗かった
穴を潜って白くてひょろ長い妻が出て来るのが見えた
(了)
53:名前はいらない
09/03/07 16:09:53 0OXD0Gpe
>>50
失礼しました。
54:名前はいらない
09/03/07 16:16:26 9WAP1Xmh
>>49
連投途中に入れてしまったorz
すみませんでした。
55:名前はいらない
09/03/07 16:35:39 dIZ5sRYk
しかも2レスもwww
56:冬のさらば
09/03/08 03:29:36 IC6Be29S
晝 英雄が讃えられていた
冷たい風の吹きすさぶ 色の無い広場で
彼が兵士 俳優 プロ野球選手 ノーベル賞受賞者エトセトラのうちいずれであるかは今 本質には関係ない
重要なのが
俺は知っているが人は知らないのが
英雄が昔に 人を殺したことだ
その湖水で人が死んだのだ
それでたくさん舟が出ていたのだ
女が湖水に沈められたのだ
この悲哀と無念を 誰が知っているのか
やがて春が来て
茂る藻草の中に 死体は隠れてしまったのだ
長い間に罪の意識なんかも忘れてしまって
英雄
扱いされて喜んでいる 殺人者
だけどもう
いいんじゃないでしょうか そんなことは
誰か英雄が人を殺したこと
誰か罪人が人を愛したこと
いずれもまた本筋から外れて すべて背景に過ぎないこと
ぼくらはその広場にいるが
英雄はその実何も関係しない
ましてや罪人は関係しない
ぼくと君とのお別れだ
愛していたとだけ言って 手を振ったのがスマートだった
ぼくと君とのお別れだ
愛していたとだけ言って 手を振ったのがスマートだった
57:冬のさらば ◆k/cWhgJLqA
09/03/08 03:30:45 IC6Be29S
>>56
トリップ忘れてた
58:せめてチャンプにさせたってください(涙) ◆NPSMUpQqqo
09/03/08 10:05:33 HM/JL2oE
バレンタインの日
職場で女性スタッフが 義理チョコ配ってた
それでも俺はワクワクしてたんや
本気のチョコなんか もらったことあらへん
せやけど俺の分の義理チョコ もらえんかった
やっぱ暗いし 人づきあい悪いからな
コンビニのレジ
かわいいバイトの女の子
愛想がよくって笑顔も素敵
レジの順番並んでる間見とれてた
それが 俺の番まわってきたら 露骨に無表情
おつり渡す手も俺の手に触れんように渡したから
おつりこぼれて 涙と一緒に床に転がった
クリスマスの夜
あまりに寂しいから
同じくモテない仲間の友人と遊ぼうと
電話かけると
「ごめん、実はある女の子と約束あって」
「へえ、よかったやん」
受話器置いた後 しばらく顔あげられんかった
よりによってこんな日に
ラーメンでも作ろうとキッチンに行く途中
机の角に足の小指ぶつけて 生爪はがした
よりによってこんな日に
忘れよう 忘れよう
きっといつかええことあるわ
きっとついてへんだけ きっと
やっぱ なんでやねん
やっぱ なんでやねん
くやしいけどあかん
あれはよう忘れられん
やっぱ なんでやねん
やっぱ なんでやねん
きつく抱いてよ 今夜は
59:名前はいらない
09/03/08 11:06:29 u/4S2TGP
今夜締め切り揚げ
60:僕の冬 ◆Sq93NVnP3s
09/03/08 16:32:28 JOebEuVA
日本に四季が有るように
僕の心にも冬が有る
それは悲しみや抑鬱よりも
複雑な何かを象徴している
或る時
僕の心を突然に横切って行った
噛み砕いた角砂糖のようにほの甘く
この世の裏の犯罪のように生臭い
季節外れの春
あるいは秋
そのあとに
ふっと顔をあげてみたら歴然と有ったのが
冬 冬 僕の冬
雪の嵐だ
雪の嵐が巻き起こり
家々はその中に身を伏せてうずもれている
僕の精神も家の中に凍えながら茫然と佇む
この恐ろしい夜にも
そっと窓の雪をはたいて
外を覗いてみると
あの吹雪が牙を振い爪を立て
しかし
時がたってひとしきり去ったあとを
気付かれないように覗いてみると
そこに静かな青い雪明かりが有るだろう
僕はそれを眺める
これこそが冬の感動
日本に四季が有るように
人の心に冬は有る
単純無意味な色ではなくて
冬には冬の感動が有る
61:名前はいらない
09/03/08 17:47:06 5UdnRVpZ
締め切り、今日の24時までですぜ。旦那!
現在までの投稿作品
>>37-38 :冬に寄す ◆cOU/v./oVs
>>39 :完全犯罪入門編~日本の家庭から~ ◆eRRnIzmfi2
>>40 :冬に誕生日 ◆rTWq.XtVtg
>>41 :現代詩人の冬
>>42 :銀の朝 ◆958SDwdJd2
>>45-46 :ポエ子 ◆Tp/3j1AxoE (←作者ばらし作品)
>>47 :霧 ◆e2zAoE/zkE
>>48 :くりかえす朝 ◆V7jhQtiHWo
>>49、52 :二月十八日 ◆l2g71HROcg (←割り込まれ作品)
>>50-51 :女神と雪娘の物語1、2 (←トリップなし作品、割り込み作品)
>>56 :冬のさらば ◆k/cWhgJLqA
>>58 :せめてチャンプにさせたってください(涙) ◆NPSMUpQqqo
>>60 :僕の冬 ◆Sq93NVnP3s
62:名前はいらない
09/03/08 17:50:06 5UdnRVpZ
>>41もトリップなしだったw
63:名前はいらない
09/03/08 21:00:31 f1/VebQ/
規制が始まってるから、投稿する人は早く投稿した方がいいお
64:スコッチブライト ◆FdbPaTx7hQ
09/03/08 23:48:15 KmjOr4cv
人間頭を使わなくなると
とっても意外なミスをしますね
赤面する
耳まで真っ赤に
エレベーターの「開」と「閉」を間違えて
知らぬ誰かを挟んでしまう
洗顔フォームで歯を磨き
しばらく勃ってそれに気付く
チャリンコの鍵を開けてもないのに
うんこらよいしょとスタートを切る
カナに変換する前に
ブラインドタッチでアルファベットを羅列する
日常茶飯事
あれやこれやと思い出せば
いくらでもこんなミスが羅列される
もちろん
いざその場に勃ったらまたミスをする
やっぱりあれだね
大学受験のこれをピークに
脳みそがどんどん腐っていくよね
今はもうスカスカなんじゃないかなあ
なになに冬っていうお題かと
ノートに下書きしようとしたら
「各」って堂々と書いてしまった
65:名前はいらない
09/03/09 00:04:40 qvDZQ9qx
締め切り かな
66:おしっこ ◆OPb3r6Vs1g
09/03/09 01:22:13 xf75N8u/
もう遅いので、sageでそ~っと・・・
審査結果(放尿)~
★2点
>>42 銀の朝
>>50-51 女神と雪娘の物語
★1点
>>39 完全犯罪入門編~日本の家庭から~
>>45-46 ポエ子
>>48 くりかえす朝
>>49,52 二月十八日
その他にも点をあげたい作品が何編かありましたが、
あげすぎると、審査での‘‘おしっこ’’の臭気が濃くなって、よくないと思うので、ご勘弁・・・
*******
コメント~
>>39 完全犯罪入門編~日本の家庭から~
ありきたりのオノマトペの羅列ですが、家の中の冬の風情を感じてしまいました。
途中で客観的なニュースの言葉が挟み込まれていることによって単調さを回避すると同時に、
一家庭の中の世界をクローズアップさせる効果を出しています。
>>42 銀の朝
う~ん、上手い。
自転車は優れたメタファーとして読めますね。大人の価値観から見れば価値の失われてしまったもの。しかし、子供には宝物にも匹敵するもの・・・
>産まれたばかりの子羊を祝福する遊牧民のように
とか、
>湯気立つそれぞれの心臓を鳴らしていた
とか、表現が手練れなのです。
67:おしっこ ◆OPb3r6Vs1g
09/03/09 01:26:29 xf75N8u/
>>45-46 ポエ子
語尾が適度に散らされているし、全体としてリズム感があります。
詩にとって、これは極めて大事なこと。
言葉の繰り出し方が上手い。
>>48 くりかえす朝
人称が何を指しているのか難しい作品です。
これは敢えてそうしている訳ですが、それ故にすべてがボンヤリとしていて、もう一つ明確なイメージなり意味が欲しかった。
二十日鼠は何かのメタファーとして読めますが、なぜ霜の降りた朝なのか、なにがレジ袋をかぶった幽霊なのか、私には分からなかった。でも引っかかるものがあります。
>>49,52 二月十八日
何かホラーがかってますね。
初めの方の箪笥の上の汚れは、普段見慣れぬ、見てはいけないものの象徴として出されている気がします。日常から抜け出す気配を感じましたが、最後、何か書き切れていない感じ(最後の一文は上手いなぁと思うのですが)。
エノキダケ・・・エノキだけ? いや、そんなはずはないw
>>50-51 女神と雪娘の物語
北欧神話(童話)のような感じですが、決して単なる抜粋のようでもなく、
言葉に無駄がなく、切れ味が良いです。
・・・おわり
68:名前はいらない
09/03/10 00:43:53 9qtvuI2k
審査期間あげ
69:名前はいらない
09/03/10 02:06:56 aQQBwAic BE:396518843-2BP(0)
はい、
>>45-46 に2点差し上げます。
かなりうまいんではないかと思います。外し方がやや定型ぽいというか
ガールポップの影響下的な臭みが強いというかそんな感じですが
実をいうとこの系統でもっとうまい(と私が思う)人を知っているので
点がつい辛くなっちゃうんですがまあ宮崎誉子的な語りから編み出される
本詩は確かに力量を感じます。
まあこのくらいの詩を読ませてもらうと私も何行かは長々と書かせて
いただけるのでありがたいです。
二月十八日もいいんですけど私にはオチだけうまいかなあといった感じ
だったのです。
70: ◆DAYJoBxkXc
09/03/10 02:15:47 aQQBwAic BE:132173322-2BP(0)
忘れてた。
トリだしとかないとうるさいからなあ。
71:名前はいらない
09/03/10 18:21:34 wsgXgL2V
あと一人、誰か点だけでも入れてくれ
じゃないと成立しねーぞ
72: ◆7LKbKuYyY.
09/03/10 19:27:43 MmY8iY28
>>40 1点
「ふゆにうまれたひとー」の部分の急ぎ感がほのぼのと
している。ラスト行は防護壁のようなものだろうか。
>>50-51 1点
出会って別れるという基本的な事柄に春や夏を作って
しまったばかりに冬が来て悲しいということを重ねた。
しかし「宝石の箱は」開けないわけにはいかないし
四季は巡るのである。
>>58 1点
バレンタイン、レジ、クリスマスそして生爪に関する
痛烈な事実を積み重ねたうえでブルースを解き放った。
等身大の自分を演出する関西弁のせいだけではないだ
ろう、リアルというか切実。