09/03/18 14:45:40 6SDfIqV+
「箱と花」
箱があって 僕がいて
ひとつの花があった
彼女は小さく揺れて 僕を見つめていた
箱は灰色らしい
中からはわからないけど
花はほのかな赤
これだけはいつもわかるんだ
箱を出ようだなんて 思ったこともないさ
誰か他の何かが 広げるのもいやだよ
ある日 平和な箱に 小さなひびが入った
花は首をかしげて 僕は不安を感じた
きれいな外があるよ
そう言ってくる声がひとつ
箱の中の住人が増えた
性格の悪いやつだ
殴ってしまった
箱があって 僕がいて
ひとつの花があった
誰にもしばられずに しばられて生きていこう