09/03/18 00:57:12 HksIDWnG
過去に書いたものです。良ければご批評お願いします
「翼を撃ち落とすために」
だから僕は今、そんなことも考えられないほど、忙しいんだ。
とりあえず、いいたいことはひとつだけ。
ごめん。ありがとう。
出来ればスマートに生きていたい。
出来れば他人に迷惑かけることなく生きていたい。
出来ればかっこよくありたい。
でもだれよりも面白い人間でありたい。
僕は僕自身が、とうの昔から手に負えないのだ。
僕はこの世で誰よりも、僕を憎んでいる自信がある。
他の誰よりも僕が何にも出来ない人間であるという事を知っている、つもりだ。
誰よりも、僕は嘘つきだという事を知っている。
そして僕は僕自身を誰よりも愛している。
そんな自分の気持ち悪さに時折吐き気がしそうになる。
誰のせいでもない。自分が全て悪いのだ。
きっとそれも嘘だ。
それでも死なないでいられたのは、多分、
生きることの面白さと困難さ、を教えてくれた無数の他者のおかげだと思っている。
そんな簡単に分かり合える訳ない。
そんな簡単に答えが出せる訳ない。
死んだ方がずっと楽なんじゃないかと、何度も何度も思った。
「死」を、つまり関係から逃れることを、選択しないのであるならば生きるしかないのだ。
そして生きるならば、
出来れば誰をも、不必要に傷つけたいとは、思わない。
出来れば誰にも、迷惑をかけたくはない。
自分の、この、不安定な立ち位置をもう一度見て、
僕は両手をひろげた、
僕を苦しめる想像力を振り切ろうとして。
生きることは恥の上塗りで、
生きることはひどく面倒で、
生きることは他者への無益な嫉妬で、
生きることは結局暴力で
生きることはある種の鈍感さで
生きることは、
関係から、無理解という名の誤解から、理性から、そして自分自身という重力から、
決して逃れることのできない、長い長い道のりだけが、ただ続いていて。
1987年の8月28日6時27分
父さん、母さん、僕は二十歳になったんだよ。
きっと、誰に対しても、結局は「ありがとう」しか言えないんだって、
気がついたんだ。この間。