09/03/14 02:47:18 QdY9+03l
「一つのメルヘン」
春の夜は、はるかの彼方に小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射しているのでありました。
陽といっても、まるで渓石か何かのようで、非常な個体の粉末のようで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立てているのでした。
さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでくっきりとした、影を落としているのでした。
やがて蝶がみえなくなるといつのまにか、
今まで流れてもいなかった川床に、水はさらさらと、さらさらと流れているのでありました…