09/03/14 00:08:29 AGt0F8+v
『途切れるかなしみ』
たとえば、僕が
旅に出るなら
むかし、
暗くながい旅に立った
父さんの、古い革靴はいて
受け継ぐように旅路を歩く
だって
風がなくならないようにさ
そうやって続くのが
かなしいけど
いつだって美しいんだ
古い呼吸はふと途切れ
最期の眼を大きくひらき
新しい息吹に
いつまで経ってもみずみずしい
印象を残してきえた
そのときは
かなしみが溢れるけど
焚き木を燃やすように
涙をゆっくり流せばいい
そしたら
先がどんどん透明に
澄んでいくのが分かるから
かわるがわる人は歩き
涙のように
汗がながれていく
その 幾つもがただ乾いて
続かない
それでもずっと
世界が動くのを
なぜ
かなしいと言う