09/03/13 08:55:34 eqtA/ztO
「名前をつける理由」
こんなにもたくさんの赤子たち
真白な霊安所にずらりと並べられ
死んだばかりは人も訪れるが
次から次へと赤子が運びこまれて
昨日の彼はあんなに遠く流されて
あの柩を開けるものは もういない
名もなきもの
愛を受けなかったもの
幼くしてみまかったもの
出来の良かった<はず>のもの
指先の動き一つで遠い世界に送られて
生みの親さえその子を忘れ
性懲りもなく、また新しいものを作っている
自らの薄情に気づきもせずに
忘れ去られた赤子たち
消え去ることもできずに
何百年もさ迷うのだろう
せめて名前だけでも と思うが
それが誰の慰めになるだろう
名無しの子は名無しが相応しい・・・か?