09/03/13 00:22:43 D5ZQjGtG
『どうだっていいかなしみ』
高い多くのそらの隙間
汚れた灰色や透明な人影が
無尽蔵に湧いてくる
空中が限りなくつめたいのは
それぞれがそれぞれの塊をもち
そのため断絶してるみたいに
みえない境界線があるからです
戦争はよくないなと
こたつで蜜柑を剥きながら
母が言う
遠くのそらで
たくさんの透明が蒸発しても
想像で済ますのに
いつだって
清冽な魂は
鋭い風にしかやどらない
しかし多くの無力が
空中に溶けだし
なかなかどうして
かなしいのも事実です
(ゆくあてがなく膨張し)
そしてそれは
どこまでいっても変わりませんが、
どんなにいっても
どうだっていいかなしみです
いつだって
拙劣な魂は
鋭い風が
力強く吹くのを
テリトリーのなか
情けなく
ただ見守るばかりですから