09/03/10 14:34:27 P5gkDrqd
『或る生きる人の歌』
そうさ
青春の日々から抜け、或る日曜日の朝に
意気揚々と旅にでる
荷物なんていらないぜ
わりとなんとかなるもんだ、って
のら猫もそうないている
さあ歩き出そうぜ
ほらみてよ
太陽をうけた草たちが
青々と光って
ぼくらを歓迎してる
ずっとむこうまである
つきあたりが無いみたいに
そらは隅まで透明だ
涙なんてしても
どうせ青く澄みきって透明に
このそらへ蒸発してしまうのだし
ただ道はずっと続くから
てくてくてくと歩いていこう
いつかどうしようもなく、疲れたらやすもう
ひとつの町くらいに
大きな木の下で
木陰はそっと包んでくれる
おちた陽は
息をのむほど生命力をもって
風にざらざら揺れている
その自然のメロディーは いつかの古い夏のように
わるい気持ちをとばしてくれるみたいにきえる
夜があけ、元気になればいこう
そのくらい単純なんだ生きるなんて
だってそうだよ、いまここに在るのがなによりさ
―…遥かなそらを
大きく強い風がながれてく
カントリーロードの ずっとむこうまで
雲まき込んで
どこまでも走っていく とけださないで 水色に透き通って
ぼくらには見えないくらい 透き通って
きえてなくならないくらい大きく
その透明な
広大な純粋の世界に
すっと
成ってさあ、 きえてしまう その日まで―
(だけどねきみ
憧れや懐かしみばかりじゃ、いられないぜ
そのふたつの足だけが、
いつまでも確かなんだから! そら、もう朝だぞ!)
さあ
また歩きだそうぜ
上を向いて
そら眺め
やりきれなさを
ずっと背負ってさ、どこまでも