09/03/10 12:45:03 NsSdu7Mr
青葉
つと見上げたら桜の木の隣に瑞々しい緑があった。
私はその緑の名前を知らないけれど、春らしいちからづよい青さに、鞄からデジカメを取り出してシャッターを切った。
食べたら苦そうな葉っぱ。
旺盛な食欲みたいに広がる幹。
こんな強い生命力を物言わぬ、言ってるかもしれないけど言葉がわからない植物から感じるとは思わなかった。
桜のことを忘れた。
ずっと上を向いていたせいで疲れた首と、緑がくれた大きな大きな贈り物は、私の中でいつまでも響いて、気分を高揚させる。
春は生きることを思い出させる季節だ。
浮かんできたこの言葉を繰り返す。
歩くことに対するためらいを、私はその時捨てた。