09/03/05 23:40:23 zEwSAQNa
鍵盤の町
朝焼けはいつもつくりもの
ブリキの門を叩き
今日も駄菓子屋を花火にしに行こう
棺がたくさん置かれた部屋
城のなか 頂のあたりに君はいる
亡霊のように眠りこけてるなら
目を覚ますため
鍵盤の音でノックをするよ
嫌な朝だろう
空が何色にも染まるのを
また見てね
何かを失ったあとの世界は
美しく物悲しいから
明くる日も
ブリキの門を叩きにゆく
野蛮なことを言う猿顔の番人も
きっと通してくれるだろう
酒屋も花火だ
アルコールに満ちた匂いの市場となって
いささか慌ただしい売り子が見もの
仕方ないね
手が届かぬ話だ
だから
鍵盤の音でノックをするよ
壊れる音さえ
この世界でなら
美しく物悲しく耳になだれ込むよ
僕の気も知らずに
君は棺のなかで踊ってる